ハーディ智砂子『古き佳きエジンバラから新しい日本が見える』を読む。

読書

以前紹介させていただいた『日本株はどこまで上がるか』の共著者の一人、ハーディ智砂子氏に興味を持ったので著書を読んでみました。

著者はスコットランドの古都エジンバラを拠点に、アクサの資産運用会社で日本株アクティブ投資(特に中小型株で長年の実績あり)の責任者を務める方で、主にヨーロッパの投資家に日本株投資の良さを伝える立場にあります。

この本は「海外にいるからこそ見える日本」全般について紙幅を割いていて、日本にいてはなかなか気付かない日本の良さ・強み、そして海外での日本人としての身の処し方などを知ることができます。

「エジンバラで確信した日本の成長性」の章では、投資先としての日本株の魅力、変化しつつある日本企業について詳しく書かれています。

想像してみて欲しい。あなたが仮に、将来大きく成長して素晴らしい果実を実らせる樹木を探しているとする。その場合、木を一本一本見て歩くのではなかろうか。森全体の航空写真を見て決めるだろうか


アプローチは徹底してボトムアップ。

ミクロとマクロとを混同しない。

目立つのは大きな木ばかりで、朽ち始めた木も目に入るかもしれないが、元気な伸び盛りの木は実は増えてきている(=日本企業のメンタリティが良い方向に激変してきている)というスタンスで、日本株に投資している身としては大変勇気を頂けました。

「日本はもう終わった国だ」と多くの日本人自身さえ思っている中、個々の日本企業に着目することにより、安全域を大きくとった形で投資をスタートしやすいというのが、私の実感としてもあります。

いろいろな幸運に巡り合い天職を見つけて今がある、セレンディピティの申し子のような著者のまるで旅するような半生や、異国の親族とのふれあいに関する記述も含めて、爽やかな読後感を得られました。

さすが武者陵司さんと親しくされているだけあって、日本株投資に対してメチャメチャポジティブになれること請け合いです。
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コメント

  1. むう より:

    ブログをきっかけに、私も本著を読んでみました。

    著者の人間性が豊富に垣間見れる内容で、
    日本にネガティブな印象を持つ人には、目の覚めるような、勇気づけられるような、内容ですね。

    語られる「普通」の日本人のよさは、外国に住むからこそ、説得力がまします。

    私たちは、私たちについて、正しく知り、受容することで、
    日本人としてアイデンティティに気づくことができそうですね。

    比較できる著者は羨ましい、
    しかし、あえて比較しないことが幸せを感じることに実感します。

    著者のような先輩日本人が世界で人生を歩んでいること、
    同じ時代に生きる私も、日々をしっかり「考えたり感じたり」して時を刻んでいきたいと思いました。

    素晴らしい本を読むきっかけをいただき感謝します。

    • 6_suke より:

      ご感想ありがとうございます。

      世界の中における「日本人」という個性を自覚し、著者のように大切にしていきたいですね。

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