ポール・クルーグマン氏、武者陵司氏、熊野英生氏、ハーディ智砂子氏(私はこの方に特に興味を持ちました)、そして日頃お世話になっている栫井俊介氏(トリで熱くまとめていただいています)による、様々な角度からの日本株論です。
この本に通底する(隠れた)メッセージは、「日本人が日本株を買わないでどうする!」だと感じました。
客観的なデータを用いながら凝り固まった考えをほぐしてくれる「叱咤激励の本」という印象で、日本株応援団の一人として楽しく読ませていただきました。
冷静に考えて、投資の世界に一歩踏み出した日本人の多くが「全世界株式」「S&P500」への積立投資で満足してしまっている状況って、すごくヘンだと思うんです。
(理由は分からなくないですが、寂しいです。)
この裏返しでもあるのですが、未だ日本株の売買代金の7割は海外投資家によるものとなっています。
その海外投資家がその割安さもあって、ここに来て一部で日本株を見直す動きが出てきている(かつ、コミュニケーションの改善を通じてまだ広がる余地がある)というのに、日本人自身が日本企業が様々な面で良い方向に変化している状況に気付いていないという現状に気付かされ、とても考えさせられるものがありました。
情報面でアドバンテージがあるはずなのに、大変もったいないことですね。
「少子高齢化で先行きは暗い」
「日本のGDPはずっと横ばい」
「日本株はずっと上がり続けるものではないから、安いときに買って、高いときに売り抜けなければならない」
こういった固定観念にとらわれている方こそ、読むべき本だと思いました。
日本株に対する見方を変えることで、日本の株式市場に長期目線で参加する方が増えていって欲しいですね。
楽観は禁物ですが、著者の方々が予想されている通り、日本株の評価余地はかなり大きいのではないかと私も感じました。
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