荻窪禅さんのスイングトレード本の第二弾。
第一印象として、とても親切な本だと感じました(前著を読んでなくても大丈夫です)。
トレードで安定的に勝ち続けるために不可欠なのは、銘柄選択能力よりも実際の売買の巧さであり、すなわち「損小利大」を徹底することなのです。
この感覚はある程度経験を積めば当たり前のこととはなってくるのですが、逆にそうでなければ実感としてなかなかとらえられない、やっかいなものです。
でもこの本はそれを紙幅を割いて、わかりやすく言語化することに成功しています。
トレードを始めてまたあまり年数を重ねていない方にとって、この本は良い「べからず集」ともなっていますので、失敗を繰り返す無駄な時間をショートカットすることにつながるかもしれません。
そしてスイングトレーダーとして生き抜くことの大変さを説いているところも秀逸です。
世間の認識とは全く逆になりますが、筆者が見たところ、総じて”投機家”のほうが”投資家”よりも実は遥かに努力をしていて、結果として株式市場の仕組みそのものや多くの銘柄についての広くて深い知識を蓄えていたりしているものなのです。
ここに筆者のプライドをひしひしと感じます。
その通りだと思いますし、こういう面もあるからこそ、「相場」が好きになれない私は「投資家」であることを選好しているわけです。
参入障壁の極めて低い株式市場は、生半可な準備でスイングトレードに取り組めば「F1レーサー」のような凄腕トレーダーの餌食になってしまうという、実は大変厳しい世界です。
そういう場に我々は身を置いているのだということに、改めて気付かされます。
この本は、あらゆる「投資家」「投機家」にとって、株式市場における自分の在り方を考えるよいきっかけになるのではと思います。
株式投資に取り組む上でのバックグラウンドは人それぞれ。
他の方から学ぶことは大事だと思いますが、誰もが「F1レーサー」を目指す必要はないのです。
あえて言えば、専業トレーダー、あるいは専業トレーダーとなることを考えている兼業トレーダーにとって、「攻め」と「守り」のバランスをどう取るかを含めて、特に学びの多い本であると言えるかなと思います。
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