人生を通じての資産運用の必要性が今ほど叫ばれる時代もなかったと思います。
でも未経験者がせっかく投資を始めてみようという気になったとしても、多くの方は「どうしてよいか分からない」と途方にくれてしまうのが実情ですよね。
資産運用の成功のカギは、「いかに惑わされないか」、そしてそのための方法を見つけることだと思います。
この本では、個人投資家が惑わされがちな「情報」「相場」「商品」そして「自分」について、私も信頼している4人の方がそれぞれ語ってくれています。
そして各章の終わりにある4人による座談会もなかなか読ませるものがあります。
私は長期投資を心がけているだけに、特に「相場に惑わされない」の章を担当された岡本和久さんの言葉に共感する部分が多かったです。
岡本さんは株を売買するほとんどの方の本音は、以下の3つだと仰っています。
- できるだけたくさん、
- できるだけ早く、
- できるだけ安全に儲けたい
一方で証券投資の現実として、投資収益というものは、
- そこそこの利益を、
- 長い時間をかけて、
- リスクを取った見返りに与えてもらえるもの
だとしています。
証券市場に参加する多くの方の本音と、証券市場が与えてくれる現実との間には大きなギャップがあるんですよね。
私のブログの副題にも通ずるものがありますが、なかなか最初から後者のスタンスを取るのは難しいです。
でも投資に取り組み始めた早い段階でそこに気づいてくれる方が増えればいいなと思っています。
「投資の鉄人」とは、結局のところ自分の頭で判断できてブレない人なのだと解釈しました。
やはり人生の一部でもある投資は、誰にも頼らず一人でやるものであり、究極の自己責任の世界です。
馬渕さんが本の中で仰っていたように、投資において自立的な判断にもとづく決定権を放棄することは、自分の人生を捨てているのと同じです。
ゆくゆくは「投資の鉄人」になるための第一歩として、この本は良い指針を与えてくれるのではないでしょうか。
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