カーティス・R・カールソン他『イノベーション 5つの原則』を読む。

読書

「イノベーション」には、非連続的で例外的にしか起こらないものというイメージがあります。

そんなイノベーションについて、「どんなものであれモノづくりには『ルール』、つまり体系的な製造の方法論があるべきだ」というトヨタの訓示に刺激を受け、世界最高峰の研究機関・米SRIによる実践を通じて抽出された5つの原則をもとに、体系的方法論を提示したのがこの本です。

著者によれば、「イノベーションとは、新たな顧客価値を創り出し、市場に送り届けるプロセスである」。

イノベーションはチームとして起こすものであり、成功に導くには顧客価値という統一言語をメンバー内で共有することが必要です。

そのために、イノベーションのコンセプトである価値提案において、アイデアに説得力を持たせることが重要となります。

価値提案に必要な要件として、著者は以下の4つ(NABC)を挙げています。

N:ニーズ(Need)
A:アプローチ(Approach)
B:費用対効果(Benefits per costs)
C:競合(Competition)

多くの企業のプレゼンテーションにおいてはAで頭がいっぱいで、NやCが眼中になく、市場のエコシステムに対する理解が不足しているケースが多いとのことです。

この本の内容からは外れますが、投資の銘柄選定においても、「なるほど!」とうならされるアプローチ、独自のビジネスモデルにすっかり気を取られ、NやCへの目配りがおろそかにならないようにしたいですね。

なお、私はスクリーニングから銘柄をピックアップすることはやっておらず、入り口はもっぱら定性部分からであります。

この価値提案のフォーマットに準拠して購入理由をまとめておくことは、後日追加的に得られた情報に対する判断(主に、売るか、買い増しするか、ホールドするか)のためにも有用ではないかと感じました。

あと面白いと思ったのが、「エレベーター・ピッチ」。

エレベーター・ピッチとは、1~2分で伝えられる価値提案の核心部分であり、聞いた人の興味をかきたてるために簡潔・明快にまとめておくというもの。

これって何かに似ていると思いませんか?

そう、ピーター・リンチの「二分間の訓練」ですね。
株を買う前に、二分間だけ自問自答して、子どもにも理解してもらえるまで理解がこなれているか、「ストーリー」を確認するというアレです。

人を納得させるか、自分を納得させるかの違いであって、本質的に2つは同じものではないでしょうか。

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顧客価値を持続的に創り出せる企業は、顧客から然るべき対価を得続けることによって、おのずと時間とともに自社の価値も増大させることができます。

先程の”NABC”もそうですが、株式投資にも活かせる部分が多いと感じた本でした。

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楠木建教授の監訳となります。
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