名和高司『資本主義の先を予言した 史上最高の経済学者 シュンペーター』を読む。

読書

「イノベーションの父」シュンペーターの理論について、現在の事例をふんだんに盛り込み、わかりやすく補助線を引きながら解説した入門書になります。

私の最近の問題意識として、バフェット的・ポーター的なもの(経済の堀、参入障壁等々)だけではちょっと無機質で、長期投資を行う上での情熱やエネルギーが不足していると感じておりました。

特に(この本でもチラッと触れられている)リクルートホールディングスに投資するようになって、「内発的動機」や「事業のスケール化」に関して学んでおきたいと考えていたのですが、その意味でこの本は多くの収穫がありました。

  • 「アントレプレナーと発明家の役割はまったく違う」

  • 「発展なしには企業者利潤はなく、企業者利潤なしには発展はない」

  • 「経済構造に絶えず内部からの革命が起き、古い構造が絶えず破壊され、新しい構造が絶えず生み出されている。この『創造的破壊』の過程こそが資本主義の本質を示す事実だ」

このようなシュンペーターの思考に対し、

「0→1」はゴミの山を作るだけです。イノベーションの要諦は、そのあとの「1→10」、すなわち社会実装、さらには「10→100」、すなわち大きく「スケール」させて世の中のデファクトを目指すことです。

といった著者の解釈が入り、さらにはiPhoneのような成功事例を加えながら詳しく解説しているので、大変読みやすかったです。


シュンペーターが提起した、「Innovationを起こすための3つのIn」も響くものがありました。

  1. 「Inner Call」(内なる声)
  2. 「Invest」(時間と努力の投資)
  3. 「Inspire」(自分自身の情熱に火をつけ、周りの人たちにも吹き込む)

この方向を深堀りしていけば、もう一つしっかりとした軸ができ、より爆発力のある投資先の選定ができるようになるのではないかという期待を抱かせてくれる本でした。

著者の自説に基づく大胆な解釈にはちょっと癖がありますが、わかりやすさはピカイチです。
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