近年の楠木センセは「好き嫌い」が関心の中心にあるようです。
こちらは、「【好き嫌い】が好きで【良し悪し】が嫌い」というスタンスを取りつつ、センセが個人的な好き嫌いについて考察したコラム集です。
「好き嫌い」で仕事をする
「好き嫌い」で会社を見る
「好き嫌い」で世の中を見る
の3部構成となっています。
何の気なしに読み始めたのですが、アーリー・リタイアして間もない自分にはタイミングが良かったのか、やたらと響きまくりやがる本でした。
センセが「学芸」に目覚め「学芸者」を志すに至る幼少期からの経緯、自分以外の誰かによって決められた価値基準に従属している状態に我慢ならずこの道を選んだ辺りに、どことなく自分も重なるものがあるなあと。
「不自由から解放されて、自由になるために教養がある。それは自分に固有の好き嫌いを自覚し、それを価値基準として思考し、判断し、行動することに他ならない。」
この一文にはハッとさせられました。
私は「良し悪し」が支配的な世界から、「好き嫌い」を価値基準として生きることのできるこっち側に移って来たかったんだなあということに気付かされました。
誰しも「好き嫌い」と「良し悪し」の間で揺れ、バランスを取りながら生きているのだと思います。
ちょっと「好き嫌い」の方を大事にしてみようかなと思う方にはオススメです。
心がフッと軽くなること請け合いです。
コメント
たしかに良しあしは時代や場所によって180度変わるからな
恥ずかしげもなく手のひら返すように変わる。
いままで言ってたのなんだったのってくらいに
そうですね。
「良し悪し」の依って立つ基盤は意外と怪しいものですよね。
自分の頭でしっかりと考え、それに基づいて行動できる人でありたいです。