【7085】カーブスホールディングス の2022/8期決算補足説明資料が公開されています。
決算補足説明資料に関して一言
今回の資料で印象に残ったのは、以下の価格改定に関するページです。
9月からの月会費の値上げの目的として、FC加盟店の粗利益向上、従業員待遇向上を挙げています。
本部ではなく、FC加盟店の経営改善のための月会費改定というのがポイントです。
カーブスの他のスポーツクラブと比較した圧倒的な強みの一つは、会員とのコミュニケーションにあります。
カーブスの場合、インストラクターの仕事においてもお客様の健康管理に対するアドバイスや相談業務が大きなウェイトを占めます。
そのため、(スポーツクラブの範疇に留まらず)広くサービス業を志望する方々の中から、特にコミュニケーション能力の高い方の採用を狙っていく必要があります。
賃上げはその有力な手段なわけですが、本部がチェーン全体の組織力強化を視野に入れ、このように流れを作ってあげるのは素晴らしいことですね。
カーブスホールディングスの売上高内訳
さて本題です。
カーブスホールディングスの決算シーズンになると、よく「カーブスの実態はプロテイン屋」と揶揄するようなコメントが流れてきます。
それは、ホールディングスの売上高内訳が以下のようになっているからです。
「会員向け物販」(ほとんどがプロテイン)が全体の約6割。
面白おかしく言いたくなる気持ちも、あまり品のある行為ではないですが、理解できなくはありません。
ただこの部分だけを切り取るのは、まずもってフェアではないですし、視座としてもどうなんだろうと思ってしまいます。
チェーン全体の売上高内訳
ここでチェーン全体を見てみましょう。
FC加盟店との合算の「チェーン売上高」で見た場合、「会員向け物販」は実際には約25%に留まります。
当社としても、「会員向け物販」はあくまで「入会金・会費」に次ぐ第二の柱という位置付けにしております。
プロテインは一般向けに外販しているわけではなく、あくまで会員との食生活に関する相談・コミュニケーションを通じ、一つのソリューションとして初めて売上が立つものです。
つまり、入会金・会費がなければ発生するものではなく、FC加盟店による健康体操教室の運営が前提となるわけで、「プロテイン屋」などとは決して言えないと私は考えております。
例えて言うなら…
フィットネス・チェーンとしてのカーブスをラーメン店チェーンに例えるなら、「カーブスホールディングス」はセントラル・キッチンみたいなものということになろうかと思います。
言うなれば、「ラーメン店チェーンにおけるセントラル・キッチンだけが上場した」ということですね。
お客さんを相手に切り盛りしているお店の存在を脇に置いておいて、外販もしていないセントラル・キッチンを「スープ屋」と言ってみたところで、意味がないと思いませんか?
耳目を引くための、(FC加盟店の存在を軽視した)実態を歪曲するようなコメントが減ってくれればいいなというのが、株主としての希望でもあります。
分析は結論を際立たせたいために、どうしてもある種のバイアスがかかってしまいますよね。自戒を込めて。↑ ポチっとお願いします。
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