【6264】マルマエ ~ バイク部品で走り出す 行き先も解らぬまま(2)

企業研究

前田社長の経歴

当社を語る上で、前田社長のユニークな経歴は欠かすことができません。
ネット上で拾い集めた情報(前田社長の昔のブログを含めて)を私なりにつなぎ合わせると、以下のようになります。

・1966年、鉄工所経営の厳しい両親の元に生まれる。

・小さい頃からのめり込む性分。アマチュア無線に凝るとテレビ部品を流用し安定化電源を自作。自転車も自ら整備。

・中学時代からはマイコンのプログラミングにはまる。

・高校は進学校へ進むも、無免許で中学時代の仲間とオートバイを走らせ、やがて退学へ(後に定時制高校を卒業)。

・その後、悪さもしつつフラフラする中、バイクにのめり込む。

・見かねた親戚に意見されて渋々家業を手伝うことになるが、工場であらゆる溶接技術の習得に取り組む。これがバイクのメンテナンスに役立つことに。

・ミニバイクレースに参加するようになり(「峠を走るより、サーキットのほうが安全だと思ったんです」)、4年で国際A級ライセンスにまで昇格。一方、その資金集めも兼ねて1992年にバイク部品の注文製造事業を立ち上げる。

・昼間は家業、夜間はこの事業に取り組む中、レーサーである前田社長が作ったバイク部品が評判を呼ぶ。

・1995年(29歳)のクリスマス、レースで仲間が事故を起こし亡くなったのを機に、「30歳まで生きていたら」という人生設計を少し繰り上げ、情熱を捧げる対象としては製造業の仕事に専念することに。

・バイク部品はこなし切れないほどの注文があったが、やがて切削を任せていた外注先が複雑な加工に対応できないと音を上げるようになる。自ら加工するためにマシニングセンタを導入することを機に、家業の一事業部(R&D事業部)とすることで経営を一本化、本格展開することに。やがてR&D事業部の方が本業へ。

・オートバイの部品だけでなく、複雑な3次元局面を高精度に仕上げる必要のある蒸気タービンブレード等、産業用の部品の機械加工へと事業を拡大。

・2003年、社長に就任。本社移転を機に真空関連部品の製作が中心に。

・2009/8期には売上高20億円を記録。この頃、総額30億円の設備投資を行い、太陽電池製造装置の部品・組立の大型受注に備えるも、リーマンショックで案件が消失…

この後、企業沿革で触れた事業再生ADR手続へとつながっていきます。


こうして見ると、個人としても企業としても、その振る舞いはどこか刹那的な印象です。
上場までは「20歳ごろに感じた現状に対する悔しさ」が自身の原動力になっていたそうで、そこに明確なビジョンは感じられません。

でもその時々で「のめり込む」対象があったことが、後々点と点を結ぶようにつながってくるのが面白いところです。
例えば、中学生時代からのマイコン好きも、CAD/CAM操作に活かされています。

まるでスティーブ・ジョブズの Connecting The Dots の世界。
死と隣り合わせであったその生きざまには、不思議な魅力を感じます。

次回はそんな前田社長が率いる当社について、もう少し掘り下げてみたいと思います。

(続く)

決算説明会動画での朴訥な印象からは想像もつかない経歴で驚きました。
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