ダブルエーによる婦人服「ミッシュマッシュ」の取得について(1)

企業研究

【7683】ダブルエー が 株式会社玉屋 からの MISCH MASCH(ミッシュマッシュ)事業の取得について発表してから、およそ一ヶ月が経過しました。

本件に関しては、株式会社卑弥呼 買収時と比較しつつ分析するのが適切だと考えますが、この辺りで照会内容も踏まえて私見をまとめておこうと思います。


《参考資料》

事業取得のための吸収合併に関する基本合意のお知らせ
(2022年9月28日付:MISCH MASCH)

株式の取得(子会社化)に関するお知らせ
(2020年3月16日付:卑弥呼)

共通点と相違点

上記2つのリリース文における書きぶりから、共通点と相違点を見出すことができます。

共通点
  1. ブランド認知度は相応に高い
  2. 赤字が続いていた
  3. 財務は傷んでいない
  4. 「マーチャンダイズの再構成」による再生を企図

以下、補足です。


1⇒
2000年代中盤の「エビちゃんブーム」がブランドの絶頂期だったと思われますが、フェミニンスタイルが特徴的なブランドとして、今なお一定の人気はあるようです。
(パッと見、着る人を選ぶ感はありますよね…)


2⇒
ミッシュマッシュは2022/2期で、売上高1,753百万円、経常利益▲365百万円の想定。
ただし、この赤字は額面通りに受け取らない方が良いと思います。

というのも、株式会社玉屋はアパレルからの全面撤退を数年かけて行ってきており、いわゆる”バッタ屋”によく当ブランドを含む同社の商品が大量に流れていたとの情報もあります。

ミッシュマッシュも近年は各地で閉店を加速させており、この赤字には在庫の見切り売りによる損失が相当分含まれると考えるのが自然な気がします。

また、期中閉鎖した不採算店舗分の損益改善効果も多少は出てくることでしょう。

なおダブルエーは、もちろん黒字化見込みがあるからこそ買収の決断をしたことは確認済です。


3⇒
ミッシュマッシュから継承する資産の想定規模は、2022/2期末時点で379百万円です。
これは月商の2.6ヶ月相当ということで、売上規模に対してかなりスリムな印象です。

その内訳は、売掛金、棚卸資産、店舗設備、敷金及び保証金 が主になるかと思います。
純資産は77百万円ということですから、おそらく借入金があったとしても額は知れているでしょう。

徹底的な在庫処分がなされ、財務的にはかなりスッキリした形で事業の承継ができるのではないでしょうか。


4⇒
「マーチャンダイズの再構成」は、リリース文で共通する文言として目を引きました。

なお卑弥呼再生時の必殺技は、「ECに在庫を積みながら、オムニチャネルを活用して販売機会を逃さない」というものであったと理解しております。

「売れる商品を企画し、在庫の奥行きを持って仕掛けたことで売れ筋を作ることができた」
ECの在庫を厚くしてオムニチャネル強化を図ったことも奏功した」

と、新井社長も仰っていましたね。

当社にミッシュマッシュの今後の伸びしろについて確認したところ、「ECへ注力することで、より売上が見込める」とのことでした。

ORiental TRafficで培ったノウハウを活用し、おそらく卑弥呼再生時と同様の取り組みを行っていくものと思われます。

(続く)

次回は相違点と所感です。リスクのミニマイズという観点も考えてみたいと思います。
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