【8919】カチタス ~ ステークホルダーとの良質なリレーション(2)

企業研究

前回は、顧客・取引先・従業員について確認しました。
それでは残り3つのステークホルダーを見ていきましょう。

金融機関

  • 通常は物件の個別性ゆえに案件単位での短期借入調達が求められるのに対し、カチタスは在庫資金をまとめて長期借入調達が可能。不動産市況の波(≒業界に対する金融機関の融資姿勢の強弱)に関わらず資金繰りは安定。
    ⇒ 地域分散が図れている物件ポートフォリオと、高い収益性・安定した財務基盤の賜物。

  • ローン持ち込みを伴うこともあって各金融機関との関係は良好(Win-Winの関係)であり、シンジケートローンの組成も容易。

  • 上記により手元資金を確保でき、さらにバックアップとしてコミットメントラインも設定。
    ⇒ 銀行審査を待たずとも、良質な物件の即時買付が可能(→仕入面の優位性)。

行政・地域社会

  • 空き家となった中古住宅を再生販売することで、景観の悪化・治安への不安といった空き家問題(年間+50万戸超の増加ペース)を直接的に解決。
    ⇒ 不動産ストック活用型の社会に向けて政策の後押しもあり。
      (不動産取得税の軽減措置、「フラット35」利用条件緩和)

  • スクラップ&ビルドの新築に対し、CO2排出量・木材使用量を削減(それぞれ約1/4・1/7)。

株主

  • 一桁台が当たり前の不動産業としては、高水準のPERが許容されている(現状25倍超)。
    事業の安定性、堅実な成長ぶりが、充実したIRによるビジネスモデルの理解と相まって、資本コスト低下につながっている。
    ⇒ 長期保有のホルダーは報われた形。

まとめ

以上、6つのステークホルダーとの関係性を確認してきました。

各方面への価値提案を伴った、とてもよく練られていて一貫性のあるビジネスモデルであることが理解できるかと思います。



この図には唸らされるものがあります。

同じことをやろうとしても、先行して知見を収集し、各方面に種をまいてきたカチタスとの経験量の差はとてつもなく大きく、全国レベルで競うような同業他社の登場は考えづらいですよね。

各ステークホルダーとの良質なリレーションが、同時に参入障壁も構築しているという好例でした。

内需で長期投資するなら、こういう企業が一つの解でしょうね。
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