【4527】ロート製薬 経費構造から見えてくるもの(2)

企業研究

それでは、ロート製薬の広告宣伝について掘り下げていきましょう。

前回は、直近期で広告宣伝費が売上高の13.4%にも達することを確認しました。
FACTBOOK(P.6)を見ても、従前より多額の広告宣伝費を計上していることが分かるかと思います。

ロート製薬と言えば、昭和世代にはアップダウンクイズ、クイズダービー、平成世代にはSMAP×SMAPなど、一社提供番組のイメージがあるかと思います。

ロート製薬 OP集

昔から非常にマス広告に積極的な企業で、当社自体にもTVの大衆化に貢献してきた自負もあるようです。
(クイズダービーは、クイズ作りにまで関わっていたと聞きました)

決して広告代理店任せにせず、広告は自前主義。
それが広告手段が多様化している現在でも活きていると感じます。


また広告はもちろん企業アピールに使うだけではありません。

特定商品で市場を創造すべく勝負をかけるときには、大量の投資攻勢(広告宣伝費の集中投下、生産能力拡充による生産性向上)をかけ、競合他社を引き離す作戦を採っていました。

The社史にも少品種への集中投資の歴史が詳しく載っており、時には広告宣伝費が売上高の30%以上に達することもあったようです(凄い!)。


このような集中投資を繰り返してきたことで、発売から10年以上・年商10億円以上のロングセラーブランドが、直近の統合レポートによれば23ブランドにも上るそうです。

当社なりの「勝ちパターン」が確立されていると感じますが、それを実現可能にしているのがシェア及び付加価値が圧倒的に高く、キャッシュカウである目薬です。

売上高の割合としては、スキンケアが6割、アイケアは2割に過ぎなくなってきておりますが、(IRの方にも確認しましたが)今も当社のさまざまな挑戦を可能とする屋台骨であることは間違いありません。


1988年のメンソレータム社買収以降は、スキンケアへの展開、及び同社が既に持っていた販売チャネル他の経営資源を活かした海外展開を加速させています。

売上高は2千億円を突破し、既に相応の規模を有する企業ではありますが、医療用眼科領域、再生医療、開発製造受託(CDMO)等、まだまだこれからの事業も控えています。

「目薬」からのレバレッジを利かせた事業展開に、今後も目が離せませんね。

(終わり)

スキンケアに対する考え方や独特の企業文化にも大変魅かれておりますが、その件はまた別の機会にでも。
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