今年に入ってから購入を始めた、【4527】ロート製薬。
広い括りとしてはOTC医薬品メーカーとなり、私みたいな昭和生まれにとっては目薬のイメージが強いのですが、製薬ならではのエビデンスの強みを訴求しながら機能性化粧品市場を創出してきた結果、現在はスキンケア事業の売上構成比が6割に達しております。
ユニークな成長の歩みを持つ企業なのですが、他社比較をしながら分析をした結果、経費構造に関してもなかなか面白さを感じましたので、メモとして残しておきます。
他社との経費構造比較
比較対象としたのは、トイレタリー+化粧品がメインの花王、化粧品のコーセー、当社と同じOTC医薬品の小林製薬です。
主に「広告宣伝費」「販売促進費」「研究開発費」の売上高比に着目しました。
まずは各社をざっと(費目の大小については、売上高比の意味合いで書いております)。
[花王]
EVA経営を標ぼうしているだけあって、さすがの効率性で販管費率は低いです。
一方、売上総利益率の低さからは、トイレタリー分野での価格競争激化&原価上昇の厳しさがうかがえます。
[コーセー]
化粧品は原価が安く売上総利益率は高いですが、(表には記載していませんが)ビューティコンサルタントの人件費がかかること、そして広告宣伝費・販売促進費にたっぷりお金をかけていることから、販管費率も高いです。
[小林製薬]
やたらTVCMを見るだけあって、やはり広告宣伝費は大きいです。
販売促進費はこの中では最も小さく、逆に研究開発費は最も大きいです。
さまざまな分野でしっかりと機能性を作り込むとともに広くアピールし、同社ならではのユニークな商品を指名買いさせることで、販促は抑えるという方向性が見て取れます。
[ロート製薬]
広告宣伝費は最も大きく、これは意外感がありました。
販売促進費がやや大きいのは、スキンケアがメインで化粧品寄りだからでしょうね。
研究開発費にも、再生医療(スキンケア・目薬との相乗効果あり)への取り組みに注力していることもあって、多めにお金を投じています。
相応に高い売上総利益率から、これらの費目にたっぷりお金をかけているという状況が分かりました。
イメージとしては、トイレタリーと化粧品の中間のようなP/Lに、医薬品メーカーならではの研究開発費が加わった感じですね。
(続く)
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