この辺りでまとめに入りたいと思います。
eBASE社は、なぜ各取引先と継続的に取引を進めていくことができるのでしょうか?
統合商品データベースとしての特徴
ここで、ホームページにある「eBASEとは」から、統合商品情報データベースとしての4つの特徴を転記してみます。
- フレキシブルなデータ構造
- マルチメディアコンテンツ管理
- 商品マスタを様々なシステムと連携
- 精度の高い商品情報の収集・提供
それぞれについて簡単に説明します(4は省略)。
このうち1は、商品カテゴリーごとに異なるデータベース構造が必要となる中、その構造を簡単に追加・変更できるということです。
薬・化粧品だけでなく食品や日用雑貨といった、多くのカテゴリーの商品を扱うドラッグストアーで重宝されるのはこのためですし(食品スーパーでさえ食品だけじゃありません)、あまたの業界で活用されているのもこのためです。
多様な業種での利用状況・要望は逐次フィードバックされて改善が進み、eBASEという「箱」そのものの性能・強度を高めることにもつながっています。
2は画像、動画、マニュアル・取説を含めた各種ドキュメントの一元管理ができるということです。
このため、会社間・部署間で、多様な形態の情報をやりとりすることが可能となっています。
3については、個人投資家向け説明会の資料にあった下図が分かりやすいかと思います。

企業間で交換される商品情報として正確なものが入ってくると(上記4)、商品マスタとしてさまざまな業務においてそれを活用しやすくなります。
印刷・プリントメディア、Webメディアといったものだけでなく、販売管理・受発注・物流といったバックオフィスの基幹システム、さらにはマーチャンダイジング支援・商談支援、PB開発といったところまで、大げさに言えば、実は企業内のかなりの割合の業務がソリューション提供の対象となってきます。
メディアの活用、他システムと連携するためのオプション・アプリの提供、その企業ならではのカスタマイズ、…
「アップセル」のネタは尽きないことが想像できるかと思います。
また、最近注力し始めた「2nd eBASE」と銘打ったB2B2Cビジネスは、それまでのバックオフィス業務の効率化の色が濃かった「1st eBASE」に対し、それにアドオンする形での新たなネタの提供(→大元のeBASE拡販にもつながる)という側面があります。
課題解決は終わらない
このようにたくさんのネタがあることは、「eBASEカンファレンス」や「導入事例」での個社別の資料を見てもよく分かります。
そして着目すべきは、多くの事例において「今後の課題」という項目が設けられていることです。
「A業務の環境が整ったから、次はB業務につなげたい」
「C分野でうまくいったから、D分野にも広げたい」
一つの課題が解決すると、また次の課題を解決したくなる。
課題解決そのものが、次の課題を呼ぶ。
課題解決の道は「to be continued…」なのです。
実際、イオングループ各社との取引においても、多くの案件が順番待ちの状態と聞きます。
eBASEビジネスの本質
さて、「ユーザー数推移はもはや使えないよ」といったお話から始めたこのシリーズですが、最後にこのビジネスの本質と、今後チェックしていくべき箇所について触れて終わりたいと思います。
私はeBASEビジネスの本質とは、「リカーリングビジネス」であると考えています。
「リカーリング(Recurring)」は「繰り返す」や「循環する」といった意味になりますが、このビジネスモデルには、「商品・サービスを一度提供して終わりではなく、継続的に価値を提供することで、その対価として長期的な収益を目指す」思想が根底にあります。
(当社の企業理念とも合致します)
まずは小さく入って、その後のアップセル/クロスセルを通じて案件を継続/大型化させていき、実質的なストックビジネスへの転換へとつなげていく。
このビジネスの成否は、そのような勝ちパターンに持っていける、柱となる取引先をいかに確保していくかが鍵となりますが、対象となる業界を拡げながら、その数を着々と増やしてきた結果、今があるという印象です。
今後見ていくべきは全体のユーザー数(あるいはserver数)ではなく、柱となる取引先をいかに増やしているかです。
その意味では、決算説明資料での販売先を匿名にした商談状況に加え、「導入事例」(「eBASEカンファレンス」を含む)や「主要取引先」の変化(2022/11/9に初めて更新した旨のニュースリリースがありました)を丁寧に追っていくことが大事だと考えます。
まいた種からやがて芽が生え、幹ができ、枝葉をつけ、大木になっていく。
その木々が集まる過程で、森(エコシステム)を形成していく。
当社のビジネスに対して、私はこんなイメージを持っています。
事業そのものによる複利での価値創造を実感でき、かつそのための投資キャッシュフローも僅少であるこの企業は、日本の上場企業の中でも非常に稀有な存在であり、大事にホールドしたいと思っております。
(終わり)



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