【3835】eBASE 恐るべき成長戦略(2)~ビジネスモデルの変遷から見えてくること

企業研究

マネタイズの基本をおさらいしたところで、当社のビジネスモデルの変遷を確認したいと思います。

このところの決算説明会の資料に出てくる、「eBASE事業 中長期戦略」の図を見てみましょう。

ビジネスモデルの変遷。

左側にビジネスモデルの変遷が出ています。

1.業界別 商品情報交換標準化
      
2.商品データプールサービス
  (「商材えびす」)
      
3.コンテンツビジネスへの新展開


ここでまた例え話をしてしまいます。


1は、各業界のメーカーを源流とし、小売を家庭とする水道を作ったようなものです。

ここでのeBASEは、出口となる蛇口なりシャワーヘッドなりを、利用者のニーズに合わせて売っているに過ぎません。

安心安全な水を使える水道を作った社会的意義は非常に大きいですが、これだけではちょっと面白くありませんね。


2は、ダムを造ったようなものです。

メーカーから送った水(情報)がいったんここに貯められ、水を渇望する人がここから必要に応じて取り込めるようにしました。

メーカー側からしてみれば、卸・小売がこのダムから自分の都合で取水してもらえれば、いちいち個別に流さなくても済むので、手間が省けて大助かりです。

情報のアップデートも一回ダムに流すだけでいいので、非常に楽ですね。


そして3です。

これは、ダムを当社自体が活用し・・・・・・・・、インフラとしての新しい価値を生み出そうというものです。

ここで電気を発電し、新たに売るようなイメージと言えばいいでしょうか。

これも蛇口やシャワーヘッドと合わせて売る。

リクシルと東京都水道局(料金は取りませんが)と東京電力の合わせ技で来るみたいな。

今まさにこれが形となって現れてきているわけです。


当社は設立時から3のイメージを持ち、大きな構想を描きながら、1⇒2⇒3の順に「そーっと」バレないようにインフラの整備を進めてきました。

図から得られた気付き。

昨年まではこの図を見ても、「『コンテンツビジネスへの新展開』が楽しみだな」くらいにしか思いませんでした。

ただ今年に入って新たなサービスがリリースされるようになり、ある時、この図の太い矢印の持つ重大な意味に気付きました。

上の囲みの1,2,3で言いますと、

 1があるから、2がある
 2があるから、3がある

ということです。

これが何を意味するかと言えば、

 3は、2があってこそ
 2は、1があってこそ

ということになります。

すなわち、

コンテンンツビジネスは「商材えびす」があってこそ

・「商材えびす」は基本ソフトウェアがあってこそ

なんですね。

スポンジケーキ(基本ソフトウェア)、クリーム(商材えびす)があってはじめて、新たなトッピング(コンテンツビジネス)を乗せられるということです。

ここから以下のことが見えてきます。

コンテンツビジネスの主目的は、大元の基本ソフトウェアを売ることにある!


重要なポイントです。

飛躍を予感させる、次の段階の成長戦略が見えてきましたね。

コンテンツビジネスはそれ自体も儲けの手段ではありますが、基本ソフトウェアの販売を加速させる強力な手段としての役割の方がより大きいのです。


イオンに対しては累計数億円の販売実績があるそうですが、eBASEserverが入りますとイニシャルで1,000万円単位、規模が大きければ億レベルの売上が計上できることになります。

そして前回見たように、基本ソフトウェア導入の後には、畳みかけるようなマネタイズ、鬼のようなストック積み上げが待っているわけです。

(続く)

次回はこの前提を元に、プレスリリースされたサービスの内容を見ていくことにしましょう。
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