本日、eBASEの「自己株式の取得状況に関するお知らせ」がリリースされています。
上限500,000株、300,000,000円、つまりMAX600円でも買う準備があったところ、これまでの実績は累計87,500株、41,913,500円、平均単価は約479円ということになります。
8月まで取得期間がある中、だいぶ余力を残しながらまずまずお値打ちに自己株式取得ができており、経過としてはいい感じではないでしょうか。
今回はこの自己株式取得に至った背景について解説致します。
自己株式の取得を行う理由
当初の「自己株式取得に係る事項の決定に関するお知らせ」の方は、4/8付でリリースされています。
理由としてここで書かれているものは、
「経営環境の変化に応じた機動的な資本政策、および従来の配当性向を維持しながら、より高い水準での株主還元を図るため自己株式の取得をするものであります。」
という超テンプレ文章に過ぎません。
業績の下方修正と同日で出されているので、「お詫び」の意味合いと受け止めた方もいらっしゃるかもしれません。
ただ当社とそれなりの付き合いのある株主さんならお分かりかと思いますが、そんな気の利いたことをする会社ではないです。
では本当の理由は何でしょうか?
カギは自己株式数の推移にあります。
以下の表をご覧下さい(途中株式分割がありましたので、現在のベースに引き直しております)。
前回(7年前!)の自己株式取得は、2015.2.10~2015.3.31にかけてでした。
推移を見ていくと、2015/3期末をピークに、自己株式が減り続けているのが分かります。
2022/3期末までの累計で約632千株の減少となっておりますが、これに対し上限500千株の取得を決定しているのが今回です。
いかにも穴埋めするかのように見えますが、この背景には一体何があるのでしょうか?
答えはコレ↓です。
七福神福利厚生制度
この中で「弁財天(業績貢献報酬制度)」「大黒天(勤続報酬制度)」というものがありますが、これは(グループ)社員向け報酬として(選択制で)将来自社株を保有させることのできる、独自開発した制度です。
自己株式が減っていたのは、社員さんが制度を使って自社株を取得したからということですね。
その手当てとして、事前に自己株式を集めておく必要があるわけです。
このタイミングである理由
さて、自己株式取得を決定したのがこのタイミングである理由が、単純に株数が減ってきたということの他に、もう一つあります。
それは、創業20周年目でのビジネスモデルの大転換期にあるということです。
直近の決算から「1st eBASE」「2nd eBASE」という言葉を随所で使うようになりました。
前者は創業期からのBtoBビジネスモデルで、「ミドルウェア eBASE」+「商品情報交換の全体最適化」が軸。
後者は「第二の創業」としてのBtoBtoCビジネスモデルで、「商材えびす」+「特許」+「ミドルウェア eBASE」が軸。
これまでのBtoBtoCの取り組みは、あくまで「eBASE」の箱売りのための販促の位置付けに過ぎないものでした。
しかしここからは、利用企業にとっての「守り」の領域から「攻め」の領域へと軸足を移しながら、「Personal Profileビジネス」そのもので稼げるビジネスモデルへと進化していくものと予想しております(これまでリリースされてきたものを見る限り)。
この自己株式取得は投資家に対してだけでなく、これからインセンティブを享受するであろう社員に向けてのアピールの意味合いも強いと思われます。
要するに、「これからビジネスモデル変革によって飛躍の時を迎えるので、今のうちに会社としても自己株式として確保しておきますよ。社員の皆さんも将来自社株で報われることを期待して頑張って!」ということですね。
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