【3835】eBASE 恐るべき成長戦略(1)~マネタイズの基本

企業研究

週刊ダイヤモンド(特集「日経平均3万円時代の最強株」)に掲載されたためか、下落傾向にあった株価もちょっぴり底打ちした感がある【3835】eBASE。

ご参考:ダイヤモンド・オンライン記事

今年に入り、中長期戦略で掲げていた「コンテンツビジネスへの新展開」が具体的な形となって表れつつあり、私なりに分析を進める中で当社の狙いがかなり見えてきた部分がありますので、シリーズ化してまとめておきたいと思います(大作になる予感…)。

マネタイズは多層構造。

まず商品情報管理ソフトを企画・販売する当社のマネタイズに関して、基本を確認しておきます。

おそらく多くの方は、当社が提供する製品・サービス群とそこから得られる収入に関して、うまく整理ができていないのではないでしょうか。


アイキャッチ画像をケーキにしたのには理由がありまして、ケーキに例えると説明しやすいと思ったからなんです。

それではまず、当社の提供する製品・サービスを大別し、それぞれをケーキの部材に例えてみることにしましょう。

1.基本ソフトウェア群(eBASEserver、eBASEstandard他) 

2.オプションソフトウェア群(FOODSeBASE、eB-MDM他)

3.オプションサービス群(商材えびす、各種クラウドサービス)

基本ソフトウェア群 ⇒ スポンジケーキ

1が土台となるスポンジケーキで、食べる人によってさまざまなサイズが用意されています。

スポンジケーキが売れると、イニシャルで「ソフトウェア販売価格」分が入ります。
同時にオプションとして、「セットアップ費」「教育費」「データベース構築コンサルティング費」も得ることができます。

ご参考:eBASEserver販売価格

なお、決算説明資料の種類別販売実績にある「パッケージソフト」のうち、約半分が純粋なソフトウェア販売価格分となります。

ここまでは「フロービジネス」


そしてこのスポンジケーキは毎年メンテナンスがなされ、「ライセンス&サポート費」が得られるのがミソです。

ソフトウェア販売価格の20%が毎年入ってくるので、結構バカにならない金額が積み上がっていくことになります。

こちらは「ストックビジネス」


この構造は、エスプール(エスプールプラス)の貸し農園事業(障がい者雇用支援サービス)と似ています。

同社のビジネスは、フロービジネスとして農園の区間販売・紹介料を得、ストックビジネスとして管理料を得る仕組みでしたね。


eBASEの場合も、とにかくまずスポンジケーキを売ることがスタートになります。

一旦売れれば企業統合でもない限り解約されることはなく、永続的に安定収入が得られる形です。

オプションソフトウェア群・オプションサービス群 ⇒ クリーム・トッピング

2,3は、ケーキのクリームやトッピングに当たる部分です。

土台にどれだけたくさん乗っけられるかが勝負で、トータル100種類以上のメニューが用意されています。

オプションソフトウェア群からの収入は、基本ソフトウェア群同様、「販売代金」の「フロービジネス」の部分と、それに対する「ライセンス&サポート費」の「ストックビジネス」の部分とに分かれます。

オプションサービス群からの収入は、基本的にクラウドなので「ストックビジネス」ですね。

まとめ

以上をまとめますと、当社のマネタイズは以下のような多層構造になっていると言えます。

基本ソフトウェア(フロー)     
ライセンス&サポート(ストック)
(上記の20%)
  ↓
オプションソフトウェア(フロー)
ライセンス&サポート(ストック)
(上記の20%)
  ↓
オプションサービス(ストック)    

基本ソフトウェアを売ってからの、畳みかけるようなマネタイズ、鬼のようなストック積み上げの構造がお分かりいただけるかと思います。

繰り返しになりますが、とにかくいかに基本ソフトウェアを売るかがポイントになります。

そこで当社は、各業界における小売のボスを押さえることにまず注力しました。

食品業界を例にとって説明します。

イオン・生協を押さえる。

⇒ 取引メーカー各社に無償版(eBASEjr.)をバラまき、商品情報を登録させる(ここは力関係のなせる業)。

⇒ 大手と取引のあるメーカーの商品情報が充実する。

⇒ 他のスーパーも、利用価値が高まったことで、基本ソフトウェアを導入。

⇒ 他のスーパーも、取引メーカー各社に無償版をバラまき、商品情報を登録させる。

⇒ メーカーの裾野が広がり、商品情報がその都度充実していく。

(この繰り返しで利便性がますます高まり、ネットワーク効果によりそれに応じて基本ソフトウェアも売れていく)

  
こうして無償版を配りながら基本ソフトウェアを売り、アップセル、クロスセルにより強力にマネタイズを図っていく形です。

基本ソフトウェアを売った後のマネタイズに関して、再度ケーキに例えてみます。

・各社の規模感に合ったサイズのスポンジケーキに、どんどんクリームが塗られ、いちごやブルーベリー、チョコレートなどあらゆるトッピングが乗せられ、ゴージャスなケーキが作られる。

・そのケーキは食べ切りではなく、食べても食べてもスポンジ部分は補充され、クリームは塗り直され、トッピングは再び乗せられる。

・以上により、永続的にケーキ代金をいただける仕組みができている。


こんな感じでしょうか。

いったん基本ソフトウェアを売った後の奥行きの深さ(時間的にも)が分かりますね。

      
以上が、これまでの・・・・・基本戦略に関する私のイメージです。

(続く)

初見では非常に理解しづらい企業であることは確かですね。。
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