とある読者の方から、私の投資基準の変化についての質問がございました。
昔(2012年2月時点)は「PERで1ケタ、PBRで1倍台前半」を目安としていたにも関わらず、現在は大きく変わってきている背景について教えて欲しい、という内容です。
これは分かりやすく言えば、今からすれば「アベノミクス前のバリュエーションが異常だった」ということかと思います。
上記のような基準でスクリーニングしても、ある程度まともな企業がザックザク見つけられる状況であったため、ルールが十分機能したということです。
将来に対する希望が持てず、株式投資そのものに対する恐れ(リスク認識→リスクプレミアム)も今と比べて格段に高かったということですね。
ところがアベノミクス以降は、同じ基準でもスクリーニングで拾える企業の質がどんどん劣化していき、属する業種も参入障壁が低いものであったり、景気敏感度が高いものであったりと、かなり偏りが出るようになっていきました。
(建設業、不動産業、金融業、運輸業等々が常連に…)
これはバリュエーションが正常化していく過程であったのだろうと、後で分かるんですけどね。
「これでは戦えない。安かろう悪かろうではダメだ。それは価値に対しては決して”割安”だとは言えない。」
と考えを改めるようになりました。
その心境に至り、バフェットのあの有名な言葉がピンと来るようになりました。
まずまずの企業を素晴らしい価格で買うよりも、素晴らしい企業をまずまずの価格で買うことのほうが、はるかによいのです。
そうか、私は優先順位を間違っていたんだ と。
「素晴らしい価格」かどうかよりもまず先に、「素晴らしい企業」であるかどうかを確認しなければならない と気付きました。
素晴らしい企業には相応の価格が付いて当たり前であり、価格が安い企業には安いなりの理由があると。
これにより、機械的なスクリーニングを止め、「素晴らしい企業が安くなるタイミングを待って買う」という方向へと意識が変化していくことになります。
その後の学びを経た現在の考えは、最近書いた以下の記事の通りです。
企業ごとにそれぞれの当面の収益見通し・長期スパンでの成長性・安定性等に応じた、それぞれの落ち着きどころがあるはずという考えの下、PER・PBRの絶対的な水準を以て”割安”さを判断することはなくなりました。
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