たまには企業分析ということで、先月新規購入した【6264】マルマエ を紹介したいと思います。
企業概要
当社は鹿児島県出水市に本社を置く、精密切削加工メーカー。
半導体やフラットパネルディスプレー(FPD)の製造装置向けの真空パーツや高精度部品を手掛け、東京エレクトロンのグループ企業や日本発条が主要顧客です。
世界トップクラスの製造装置メーカーの多くと取引を行い、それらのメーカーの装置の心臓部の部品を供給しており、他社では生産できない製品も多く、高い供給責任も負っています。
近年の業績は以下の通りです。
売上高は40億円台と規模的にはいわゆる中小企業であり、業種柄年度ごとの業績変動は大きいです。
しかしながら、直近期の営業利益は9億円弱、営業利益率20%確保と、難度の高い加工技術を背景として高収益を実現しています。
かつ中期経営計画最終年度の2022/8期は、売上高70億円、営業利益20億円へとジャンプアップした目標を掲げる等、半導体製造装置市場の追い風を受ける企業でもあります。
ただ私が興味を持ったのはそこではなくて(買う理由としてはこれだけでも十分なのですが…)、ユニークな沿革にあります。
企業沿革
要約すると以下の通りです。
創業期(1965~1999年)
・先代が鉄工所として創業。
・オートバイ部品製造目的の会社を、元オートバイレーサーの前田俊一現社長が個人で創業(後に当社に合流)。
・発電用の蒸気タービンブレードやロボットアームなどの切削加工による産業用部品の生産を開始。
規模拡大時期(2000~2009年)
・FPD分野へ参入し、真空パーツの製造を本格化。
・2003年の本社移転を皮切りに、大型製品の製造に注力。太陽電池分野にも参入。
・2006年東証マザーズ上場。
再構築期(2010~2013年)
・リーマンショックにより、そのために大規模設備投資を進めていた太陽電池製造装置の部品・組立の大型受注(年間100億円程度の引き合い!)が消失。
⇒ 事業再生ADR手続へ(スポンサー無し、2011年成立)。後発ながら半導体分野に主要事業を転換。
再成長期(2014年~)
・事業再生計画の早期終結(2015年)。
・スマートフォン普及、クラウドサーバーの増加により半導体需要が量的・質的に拡大。
・基幹パーツ製造に向けた積極果敢な設備投資が奏功し、再成長を遂げ東証一部へ(2018年)。
この波乱万丈っぷりは、次回で紹介する前田社長の生きざまによるところが大きいです。
(続く)
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