発売日は3/10ですが、奥野さんよりご恵贈いただき、一足先に読ませていただきました。
タイトルの通り、高校生に向けた熱いメッセージが満載の本です。
前著『ビジネスエリートになるための教養としての投資』とそれなりに重なる部分はあります。
ただ前著が主に若い社会人と大学生をターゲットにしている一方、こちらは高校生を読者として意識しており、「価値」と「価格」の違いなど、お金や経済の本質的な部分に、よりフォーカスした形になっています。
大学を選ぶ前の段階で、この本で書かれている内容をしっかり自分のものにして欲しいという奥野さんの想いが伝わってくるようです。
- お金とは「ありがとう」のしるし
- 「付加価値の提供」をできた人が成功する
- 企業とは、「ありがとう」をたくさん集めて利益を上げるしくみ
- 個人個人では、解決できないような社会や顧客の問題を解決するべく、異なる能力を持った個人が集まって作られたものが、会社という組織です
こういったわかりやすい金言の数々は、高校生ではなかなかとらえがたい資本主義の原則や企業の存在意義を理解する大きな助けとなるでしょう。
また、その後の身の処し方・職業の選び方にも多大な影響を与えることと思います。
ただ社会に出た経験のない高校生には、ちょっと難解であろう箇所もそこそこあります。
投資、複利、会社のしくみのあたりなど。
そこは高校生の子を持つ親が助けてあげた方がいいかもしれません。
いやむしろ、親子で読むべき本なのではないかという印象を持ちました。
例えば、「安定はむしろ不安定」というフレーズがあります。
時代の移り変わりとともに、かつて安定していたものが不安定になっていくというものです。
これは親の方が身にしみて感じていることでしょうから、子供に実体験を踏まえて適切なアドバイスもできるでしょう。
最終章は「構造的に強靭な人間になろう」という、これまでの著書とは少し毛色の違った内容です。
- 付加価値 = 人の役に立ってなんぼ
- 競争優位性 = 基礎を固め、発展させる
- 長期的潮流 = 歴史観を持つ
これらを知ることは、子供が生きていく上で必要な勉強を続ける、大きなモチベーションになるでしょう。
また、親が子供から「この職業に就きたい」あるいは「何を職業にしていいかわからない」と相談を受けた時、この視点を持ってアドバイスをし、背中を押してあげるのに役立ちそうだと感じました。
ということで、実は大人でもなかなか読み応えのある本でした。
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