内山直「幸せの確率 あなたにもできる!アーリーリタイアのすすめ」を読む。

リタイア生活

アーリーリタイアをテーマにしたブログは数多くあれど、その前後の心境について綴った本はなかなかありません。

著者は幼い3人のお子さんを抱えながら40代でリタイアを果たした開業医で、生存率・貯蓄率・満足率・リスクリターン率という4つの「率」から、生涯を通してみた「幸せの確率」がどうすれば上がるのかを考察しています。

私も退職を考え始めてからの日々において踏ん切りをつける上で、この本には大いに助けられました。

資産運用のノウハウ的なものはあまり得られませんでしたが、著者が「満足率」と呼ぶもの、すなわち「欲望の総量」に対して「実際に手に入れた環境の割合」が幸福につながるという考え方は、実践的だと思います。

過剰な欲望をコントロールする。
家・車・高級な服といった「地位財」ではなく、健康・自主性・自由・愛情といった「非地位財」から内なる喜びを見出すことで、お金も幸せも増えていく。

なにかとお金に緩いイメージのあるお医者さんがこのような考え方に至ったのは、意外感があります。
周りに流されないというアーリーリタイアの素質が元々あった方なのでしょうね。

なお、私のアーリーリタイアを決定的に後押ししてくれたのは、次の一節でした。

人と違った生き方をすることには、もちろん恐怖や不安がつきまといます。
それは恐らく本能的なものでしょう。
でも、逆の、「人と似たような人生を送るために、自分のやりたいことを犠牲にし続ける生涯」という言葉は、皆さんにはどのように響きますか?

後半部分、怖いですよね…。
以前紹介させていただいたゼリンスキーの著書に通じるものがあります。

ただ色々考えさせられるのは、著者が「飽きてきた」という理由で、本書の出版前から2年半続けていたブログの更新を、今年になって止めてしまっていることです。

アーリーリタイアが本当に幸せなのかどうかは、どうやら時間をかけて自分で答えを出さなくてはいけない類の問いのようですね。

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結局のところ、「自分のやりたいこと」があるかどうかが大きな鍵のような気がしますね。
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コメント

  1. 伏見の光 より:

    なるほどね(日経の広告風で)。

    私は結果的に今は(そんなに早くもないけど)アーリーリタイヤみたいになっているという感じです。

    入院している親父さんのところに毎日行ってできることをしようと、50代前半でフルタイムの仕事を辞めましたが、これは運用での蓄えがそれなりにあったので決断できたことです。ただ、週20時間とかパートの仕事でそれまでの職場に行ったりはしていました。

    で、自分の健康問題があってパートの仕事も辞めて、今はそれは一段落したのだけど、賃金を貰う仕事はしていないということで、形はもう完全リタイヤのようになっています。が、別にもう働きにいくことはありえないということではなく、パート的に働く可能性はあります。ただ、責任を伴うフルタイムの仕事には原則として戻ることはないです。

    「自分のやりたいこと」ということについては、株式投資そのものがかなり大きなエンターテインメント、「やりたい」というより「楽しみ」という感じですが、になっています。

    あちこち行きたいところもたくさんありますし、映画も音楽も好きだし、ブログに雑文を書くのも楽しみでしてますし、「やりたいこと」はなくなりはしないと思われます。
    もうちょっとしたら「行きたい」もですが、友人に「来てもらう」ことも重視したいです。そのために建築した賃貸住宅の一室はフリールーム的にあけてますしね。

    なるべく、今の、「体はそこそこ動くし、頭もそこそこで、お金もそんなに不安はなく、時間はかなりある」という条件を生かして過ごしたいと思っています。でないと、「あの時もっと色々しておけば・・」とか思いそうですし。

  2. 6_suke より:

    やはり体がそこそこ動くうちに、色々楽しみたいですよね。
    伏見の光さんのブログからは充実した日々の様子がうかがえます。
    株式投資もまさに「楽しみ」の感覚でやられていて、理想的だと思います。

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