これまでを踏まえ、今後の業績の見通しについて考えていきます。
今期見通し
まず、今期(2023/1期)予想の前提条件を確認しておきます。
- 新型コロナウイルスの第7波、8波が来ることを想定
- ウクライナ情勢の影響によるエネルギー価格の上昇および円安は、今後もさらに継続すると仮定
- 香港における、1月中旬からのコロナ感染者数の爆発的な増加
- 中長期的な成長を企図した、戦略的な広告宣伝費の上積み
ここで業績予想が出された3/17、そしておそらくそれをさらに遡るであろう策定時点の状況を想像すると、
・オミクロン株による感染急拡大を受けた「まん防」下での実店舗の状況が壊滅的であった(実際、2月の月次はひどいものでした)
・ウクライナーロシアの停戦合意の「て」の字もなかった
という、数字を相当保守的に組まざるを得なかった背景があったのではないかと考えております。
しかしながら、いわゆる「出口戦略」について為政者が口々に言及するようになった直近の状況からすると、「緊急事態宣言」「まん防」の濫用は前年度と比べれば抑えられる可能性が高いでしょう。
また円安は進行していますが(継続的な円安進行は織り込み済み)、エネルギー価格の上昇の方は当時からは落ち着きを見せています。
そう考えると、当社想定よりは幾分マシな方向に進む可能性は相応に高いと思われます。
コスト高の影響をもろに受ける1Qに期待するのは酷ですが、2Q・3Q・4Qと進むにつれ原価上昇分の販売価格への転嫁が進み、状況は改善していくでしょう。
それが客離れを招きはしないか、今期からは月次である程度は確認していけるのがありがたいですね。
来期以降の見通し
来期(2024/1期)以降に関しては、全て実現するとは限りませんが、上記の前提条件の裏返しが期待できます。
すなわち、
- 新型コロナウイルス対策と社会経済活動とを両立させる環境がようやく整うことによる、実店舗での客足回復
- 原価上昇が落ち着き、販売価格にそれを反映できたことによる、売上総利益率の改善
- 香港での客足回復(2022/1期レベル以上)
- 広告宣伝費の戦略的に上積みした部分の剥落
ということですね。
少なくとも「売上高増加×売上総利益率改善」と「広告宣伝費の圧縮・平常化」により、「本来、投資家が2023/1期に実現することを期待していた業績が、2024/1期には実現される」という期待を持ってもいいと考えています。
また「ORTR等での事業領域拡大」と「香港での中国本土からのインバウンド需要回復」という要素が、さらなるプラスとして乗っかってくるイメージを持っています。
海外への期待
ここで、当社資料には記載されていない、海外の収益力の推移を確認しておきましょう。
「海外(香港・中国他)=連結ー単体ー卑弥呼」ととらえ、売上高と経常利益を計算してみたのが下表です。
こうして見ますと、売上高は香港でのインバウンド需要の剥落によりピークまで戻ってはいないものの、経常利益はピークを更新していることが分かります。
この背景は、香港実店舗の家賃削減交渉を時間をかけて1件1件丁寧に実行し、それが結実したことにあります。
損益分岐点が大きく下がったということですね。
元々香港は中国本土の工場からの輸送費が安く済む上、日本より値段を高く設定でき、かつ法人税も安い(ついでに言えば、円安によるマイナスの影響も無い)ので、客数が戻れば滅茶苦茶儲かる体質へと変わりました。
香港内での感染がある程度沈静化し、かつ 中国本土との往来再開=インバウンド需要回復 が加われば、グループ業績に多大なインパクトをもたらしてくれるものと期待しております。
(海外に関してはさらに面白い情報もあるのですが、それは持ちネタとして取っておいて、情勢が好転した時にでもご紹介したいと思います。)
まとめ
2023/1期の予想数字「だけ」を見ていれば、売ってしまいたくなるのは当然かと思います。
しかしその数字を出してきた背景、この企業の持つ本来の実力を踏まえた上で、2024/1期以降の姿に思いを馳せてみてはいかがでしょう。
今の株価はどのように映るでしょうか?
2024/1期業績予想が出された1年後には、今とは全く違ったコンセンサスが形成されているのではないかと私は期待しています。
なにせ、当社は上場してから一度も外部環境がまともだった期がありません。
その一方で、卑弥呼の傘下入りと再建、ORTR・NICALの独り立ち、オムニチャネルの進化・アプリの高度化、香港の損益分岐点低下、医療従事者支援を通したブランドイメージ向上等々、足腰は確実に強くなっています。
内外でありふれた日常が戻るだけで「勝ち確」。
ということで、当社が次々と繰り出す打ち手を日々楽しみながら、「コロナ騒動」が収まるのを待ちたいと思います。
跳べ、ダブルエー!
弾め、わたし(のフトコロ!)
(終わり)
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コメント
いつも勇気づけられる記事をありがとうございます。
最後のCMをもじったフレーズは笑ってしまいましたw
私もここPFの2位なのでフトコロは大分痛いです。。
こんなところで質問申し訳ございませんが、
第21期定時株主総会招集ご通知に際してのインターネット開示事項
のP2の企業集団の使用人の状況で使用人数が34人も減ってしまった理由はご存知でしょうか?
店舗数は微増なのに7%強もスタッフが減ってしまったのは少し心配です。
明後日の総会前に慌てて資料を確認しています(汗)
楽しんでいただけて良かったです。
使用人の数が減ってしまった理由は確認しておりませんが、
おそらくコロナ禍での商業施設の来店客数の減少を受けた、自然減・不補充(1店舗あたりの人数減)の範疇かなと思っています。
来店客数が減ったのを受け、販売員を無理に補充せず、
2足セット販売で乗り切ったのだとすると辻褄が合う気がします。
(販売一足あたりの人件費を抑えるという発想)
現時点では募集を積極的に行っているので、この減少は一時的なものではないでしょうか。
ご返信ありがとうございます。
確かに正社員は12人しか減少してないから、卑弥呼の改革でどうしても合わない人が出るはずだから、正常の範囲内ですね。
これほどの逆境で利益を急回復させているから、アルバイトの人員削減もそこそこ寄与している可能性は高いですね。
現在は積極的に募集をしているのは安心しました。
どうもありがとうございました。
有価証券報告書に書いてありましたが、販売代行へのシフト(転籍)でしたね。
そうですね。卑弥呼の正社員14人減少してるから、減少した正社員はほぼほぼ卑弥呼ということですね。
販売代行に切り替えたら、取れるお客様のデータの質に変化があるかどうか、少し気になります。