【7683】ダブルエー 中期経営計画達成への道筋(2)~過去の業績から見えてくること

企業研究

前回、計画の骨格を成す一連のストーリーが私なりに理解できるようになったきた、というお話をしました。

今回はそこに至るまでの前段として、過去の業績を細かく確認していく中で気付いた点について述べさせていただきます。

未来を予測するためには、当社が歩んできた歴史から学ぶことが大事ですよね。

コロナ禍からの学び

当社は2019年11月の上場直後、不幸にもコロナ禍に見舞われることになります。

実はこの期間を通じて、経費構造が大きく変化することとなりました。
ほとんどコロナ禍の影響を受けていなかった2020/1期と現在とでは、だいぶ様相が変わってきております。

下表をご覧ください。

2021/1期にコロナ禍が本格化することとなりましたが、そこで売上高に対するEC化率が大きく向上することになります。

駅ビル等の商業施設が閉鎖され、相当期間、実店舗閉鎖を余儀なくされたためですが、これが当社にとってのターニングポイントであり、大きな気づきを得ることになります。

まさに「災い転じて福となす」。


それは端的に言えば、「(思っていたより)オンラインでも靴は売れる!」という事実です。


以降、売上高に対する、固定費である人件費・減価償却費の割合は低下していきます。

また、(売上に対する)歩合家賃が一定部分含まれる地代家賃も、売上高ほどには伸びなくなります。

(なお広告宣伝費は前期に大きく増えましたが、これは設立20周年&戦略商品の認知度向上ということで「跳べるパンプス」「ORTR」のTVCMを大々的にやったことが大きいです。今期は大きく減っており、少なくとも中計期間中は前期よりは抑制的な運用になると思われます。)

固定費は抑える!

これらから分かるのは、コロナ禍を契機に、経費のかかる実店舗の出店を意識的に抑制しつつ(出店場所の厳選化)、オンラインにより注力するようになったということです。

中計の目標の中には、「EC化率30%」もありましたね。

さらに言えば、これに限らず「固定費の増大を抑制しながら、売上高をひたすら拡大していく方向」(&それによって営業利益率を上げていく方向)に大きく舵を切ったということも、各種施策から如実に伝わってきます。

人員や店舗設備といった貴重な経営資源を最大限に活かす方向性(→ROICを高めるような動き)が、より明確になったということです。
(その背景には、人材採用の難易度向上もあるでしょう。)

一例を挙げれば、コロナ禍で緊急対応的に行ったセット販売が今も定例化しているのも、販売員の生産性を上げていく考えがそこにあるのだと感じます。


IPO時はどちらかというと成長イメージとして「海外(実店舗+EC)」に重きが置かれていて、「国内EC」は劣後していた印象がありましたが、コロナ禍で得られた気づきをもとに、現時点では優先順位がやや逆転しているのを感じます。


こうした傾向を見ていれば今期の大幅増益は必然であったことが分かりますし、この延長線上にある中計達成に向けての最近の各種施策の意味合いもつかめてきます。
(個人的には、打ち手は非常によく練られているなあと感じます。)

次回は最近の当社の戦略や施策を細かく追いながら、中計達成に向けたシナリオを考えていきます。

(続く)

続きは旅行から帰ってきてからゆっくりと。
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