野尻哲史『60代からの資産「使い切り」法』を読む。

読書

「資産形成」と対になる考え方としての、「資産活用」について述べた本になります。

世にあるマネー本のほとんどは、安心できる老後のために資産を増やす、「資産形成」の説明には熱心です。

しかしながら、いざ老後になった時、より満足度の高い生活を送るために、形成した資産を有効に使っていく「資産活用」について触れているものは、非常に少ないと感じます。

山の登り方は教えてくれても、下り方はなかなか教えてくれません。

だから個人としても普段はいかに増やすかということばかり考えていて、長期的な視野を持った「取り崩し」(運用しながら少しずつ引き出していくこと)については考えが及ばなかったりします。

『60代からの~』となっていますが、「資産活用」を見据えた運用を視野に入れるべき、私のような40~50代の投資家にとっても大変貴重な本であると感じました。


「資産形成」と「資産活用」では、考え方もまるで変わってきます。


投資の極意は、安く買って高く売ることにあります。

その意味で、「資産形成期」は、安い時にたくさん買って、高い時に少ししか買わない「定額積立投資」が合理的です。

対称的に「資産活用期」は、高い時にたくさん売って、安い時に少ししか売らない定率引き出しが合理的になります。

また運用収益も「率」で考えている以上、引き出しも「率」で考えた方がバランスが取れ、計画も立てやすいです。


こういった点一つをとってみても、なかなか新鮮な視点を得られること請け合いですし、実践的なノウハウも豊富です。

「下山」のルートがハッキリしてくると、「もうちょっと使って、人生をもっと楽しんでもいいかな」などと、消費に対する意欲も高まってくるのではないでしょうか。

「できるだけ使わないようにしよう」という守り一辺倒の考えから脱却し、積極的に資産を消費に活用することで、日本経済の活性化につなげていきたいですね。

それが今後の中高年層の責任でもあると思います。

私の今の問題意識にジャストミートする本でした。
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