山井太『スノーピーク「楽しいまま!」成長を続ける経営』を読む。

読書

現会長が社長時代に書いた本です。

同社に関しては「どうしてあんな高い値付けができるのか?」という興味があり、その観点から読んでみました。

インフレ時の投資に際して、「価格決定力」という点で何か得るものがあるのではないかというのもありまして。


この本を読んでみて、その答えは主に以下の3つにあるのだろうと分かりました。

  1. 「好き」にフォーカスしていること
  2. コンセプトや世界観が先にあること
  3. キャンパー・ツー・キャンパーで一気通貫できていること

1はアウトドアが「好き」だからこそ、「こういう製品が欲しいけど、まだ誰も提供していない」と気付けるということですね。

「好き」という気持ちを大切にしている理由について、以下のように語っています。

今の時代にクリエイティブなことをビジネス化する場合、好きなことにフォーカスしたほうが誰も事業化していない処女地を見つけやすいからだ。

好きであるがゆえに誰も具現化していないカテゴリーを掘り当てられるし、競合と争わずに新しいマーケットをつくることができるということですね。

(余談ですが、株式投資にも似た面があると思っています。)

新しくできた製品に対し、原価や競合の存在を気にせずに「いくらのバリューがあるだろうか」という観点から自由にプライシングができるので強いわけです。


そして2のように、コンセプトや世界観が先にあり、それを実現するための手段として製品やサービスをつくっている点もユニークです。

単品ではなく、組み合わせてシステム化することによってスノーピークの世界観が表現され、豊かなキャンプスタイルの実現を通じて顧客のロイヤルティも高まり、それが独特のコミュニティへとつながっていくということですね。


さらに3の通り、革新的なプロダクトという「製造」に加えて、社員が皆キャンパーであるがゆえの、ユーザーエクスペリエンスを背景とした情熱を込めた「販売」まで、一気通貫できているのも強みです。


無秩序に手を広げているようにも見えるスノーピークですが、高い値付けのできる、しっかりとした「価値創造」を実現できるリクツがこの本を読んで理解できました。

色々と企業分析にも応用が利きそうです。


あと印象に残ったのは、「自責化」という言葉。

新しいマーケットをつくることを選択している以上、景気の動向などを言い訳にしない姿勢は素晴らしいと思いました。

ちょっと見直しました。株価的にも手が届くところですので、また株主総会に足を運んでみようかとも考えています。
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