バブル崩壊以降、日本株投資に30年以上携わる著者による、ユニークな企業価値向上案を提言した本です。
人口動態の点から、複利による価値創造に勝る高ROE企業は日本の株式市場を牽引していく責務を負っていると言えます。
しかしながら、そのような企業は得てして株価のボラティリティが高く、「大きな複利効果により生じる時間的リスクを相殺するのには十分ではない」。
また、人気が集中するゆえに、金融面のストレスが生じた場合には「リスク回避」を誘い、より激しく売られる傾向があります。
こういったことが家計による株式投資を阻害する要因にもなっていると指摘した上で、ボラティリティを低下させることが需給を改善させ(株主層の拡大および各株主の株式保有数増大)、ひいてはバリュエーションの向上にもつながるとしています。
(確かに、もっとこの辺をケアしてくれたらなあと思うことが多々あります。)
その上でボラティリティを低下させる処方箋を、配当・自社株買い・株主優待・株式分割その他の点からいくつか示していただいているのですが、結構目からウロコの内容で、(ファイナンスの基礎知識を少しでもかじっていれば)サラッと読める割には得るものが多かったです。
投資家として企業とのコミュケーションを積極的に行っていきたい方には、ちょっと違った角度からの提案のヒントにもなるという点で特にオススメです。
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