クリス・ミラー『半導体戦争 世界最重要テクノロジーをめぐる国家間の攻防』を読む。

読書

1年前に出版された本ですが、このゴールデンウィークの課題図書として読みました。

今や「原油を超える世界最重要資源」となった半導体を巡る、今日までの産業の興亡史です。

・先進技術の獲得を目指す中国政府
・米中のエレクトロニクスの深い相互関係
・台湾での製造に対する両国共通の依存

上記のような現状に至る歴史に加え、半導体産業における「急所」の独占(例:最先端のロジック・チップ=TSMCとサムソン、EUVリソグラフィ装置=ASML)がどういった経緯によって進行していったのかが、詳しく描かれています。

なにせ登場人物がゴージャスですし、その時々の業界を巡る情勢や経営判断にちょっとした運命の分かれ道があったりもして、半導体業界の用語に全然詳しくなくても、一級品のドラマとして大変読み応えがありました。

その一方で、「武器化した相互依存」という言葉が使われている通り、結果として国家間で相互依存の関係ができてしまったために、ファーウェイに対する米国の制裁のように、新たな紛争の領域として利用されるようにもなった点も述べられており、重苦しい読後感もあります。

一つの企業が、ビジョンと政府の資金援助次第では産業全体をまるまる掌握できる点、あっという間にゲームチェンジが起こる点も含めて、まさに半導体産業を舞台とした「戦争」が長年繰り広げられているのだということを認識させられました。

日本企業が表舞台からフェードアウトしていくさまは読んでいて悲しかったですが、脇役としてしぶとく生き残る道はあり、むしろその方が安全であるようにも感じられました。
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