山口揚平さんのこちらの本、リライトする前のものを含め、初心者時代から何度も読み返しているのですが、その度に新しい発見があります。
今回はっとさせられたのは、「なぜ株式市場において価値と価格の差が生じるのか」について書かれている箇所です。
もしマーケットが本当に効率的なのであれば、株には常に価値に応じた妥当な価格がついているはず。
でも実際にはとてもそうだとは思えません。
価値と価格の差が生まれる理由として、山口さんは以下の2つを挙げています。
①知っている人と知らない人の差がある(いわゆる「情報格差」の存在)
②株式市場が合理的でなく感情で動いている(いわゆる「感情バイアス」の存在)
ファンダメンタルズを重視する投資家は、多くの人に見抜かれていない企業の本当の価値を探るべく、私もそうなのですが、①の方ばかりに意識が行きがちな傾向があるように感じます。
しかし昨今の相場を見るにつけ、②も決して無視してはならないと痛感しているところです。
先行き不安から多くの人が売りに殺到する。
→ 投資信託やヘッジファンドなどが解約に備える。
→ 本来は売りに出したくないのに「お宝」まで手放さざるを得なくなる。
こういう事態に直面したときに、その「お宝」を拾える準備ができているかどうかが重要なのですが、うまく行っている時期が続くと、ついつい気が緩んでフルポジ、あるいはそれに近い状態で暴落を迎えてしまうんですよね。
買う候補は決まっていて、銘柄入れ替えで対応するにしても、一歩出遅れて一番美味しいところで拾いきれない。
①に基づく投資がワークしている間は、②の存在を過小評価してしまっているがゆえに。
私はこう考えました。
自分の見積もる価値に見合う株価に達していた株(といっても、ほんの一部に留まりますが)は、欲張らずにもう少し落として、現金を確保しておいても良かったかなあと思っているところです。
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