自分の今までの投資を振り返ってみると、個別株で長期投資につながっていったケースでは、そうでないケースと比べて「言語化」がスムーズだったなと感じております。
顧客や社会に対する価値提案、ビジネスモデル。
こういった保有理由に直結するものを端的に言語化できていると、その企業を診る上での軸がしっかりできますし、個々の事業活動の意図を深いところで理解できる感覚も得られます。
そして時間とともに、その企業の営みから深みやコクみたいなものを味わえるようになり、またそれが楽しくなることもあって、少々の外部的なショックがあっても売ろうという気は起らなくなってきます。
これがいわゆる「握力」をつける秘訣の一つと言えるかもしれません。
言語化の例
「言語化」については、投資先が使っているものをそのまま引っ張ってきてもいいですし、自分で考えてもいいと思います。
アバントの「経営情報の大衆化」、eBASEの「業界単位での商品情報流通の全体最適化」、ニトリの「お、ねだん以上。」「製造物流IT小売業」みたいに、そのまま使えるものもあります。
一方、エスプールについては自分で考えたものの方がしっくりきました。
同社には「アウトソーシングの力で企業変革を支援し、社会課題を解決する」というミッションがあるのですが、実際にはそんなきれいな行動原理では動いていないようなイメージを(失礼ながら勝手に)持っておりました。
もっと(いい意味で)ずる賢いというか、社会のバグを見つけて利用するのが上手いというか…
そこでふと頭に浮かんだのが、「『背に腹は代えられない』系サービス」です。
「障がい者雇用支援サービス」「採用支援アウトソーシングサービス」「環境経営支援サービス」のいずれも、相手先企業の切実なお困りごとに対して、社会課題解決と結びつけた形で(裏技的なものも使いつつ)上手に付加価値を高めて事業化している感があります。
なお少し前の主力であったリログループについては、「体育会系ストックビジネス」と言語化しておりました(笑)
同社のここまでの経緯を見ると、体育会系ならではの積極展開のいい面と悪い面が出てしまった感じですね。
投資判断に活かす
実際の投資判断も、言語化された軸に沿って行うと自分の中で納得感を得られやすいです。
買う時だけでなく、売る時も。
例えば、事業展開が軸から外れてきたとか、軸が時代に合わなくなってきたなどの状況があれば、売却の決断もしやすくなると思います。
ということで、長期投資を志向する中で「言語化」することの効用についてのお話でした。
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