「我々が望ましいと考える保有期間は『永遠』だ」
1988年の株主向けの手紙でウォーレン・バフェットが残した有名な言葉ですが、ただしこの前段には「優れた経営陣がいる傑出したビジネスを保有していれば」というフレーズもあります。
「永久保有」は憧れです。
税金をできるだけ後に繰り延べ、複利効果を効かせて最終的な手取りの極大化を図りたいという実利的な面もあります(実はこれが大きいです)。
ただ、この「傑出したビジネス」で今後もあり続けるかどうかの見極めは難しく、実際にはちょっとしたことでその前提を信じられなくなったり、また自らが見積もる価値に比して株価が高くなり過ぎたりすることで、手放してしまうことがほとんどだと思います(バフェットも然り)。
一つ一つの銘柄が少ない単元数であったり、完全に優待・配当目的であれば、「エイヤッ!」と割り切りもできると思いますが、まとまった単元数での「永久保有」というのは、まさに言うは易く行うは難しです。
それでも私は、少なくとも入り口の部分では「永久保有」をベースに考えるようにしています。
いわば、「永久保有(暫定)」。
成長型永久債をイメージ
私はなるべく、毎期一定の率で成長する永久債、すなわち成長型永久債のイメージを持って株式投資をしたいという考えを持っております。
その一番の理由は、全体相場の動向や四半期決算に一喜一憂する度合いが減り、心の平静が保てるからですね。
成長型永久債の現在価値は、以下の数式で表されます。
CF
PV=━━━━
r- g
CF:初年度のキャッシュフロー
r:割引率
g:成長率
これを個別株投資に援用し、
CF:フリー・キャッシュフロー
(できるだけ事業の維持のために必要な投資が軽い方が望ましいです)
r:リスク認識を元に要求する期待収益率
(この株に投資するリスクを踏まえると、最低限これくらいは欲しいよねという期待収益率)
g:15年、20年といった長期スパンで持続可能な成長率
(景気循環やなんとかショックを乗り越えられる企業が対象になります)
として、ざっくりと企業価値をイメージするようにしています。
例えば、r=7%、g=3%だとすると上式の分母は4%ですから、足元のフリー・キャッシュフローの25倍の企業価値はあるんだろうなと考えます(非事業用資産の価値は保守的に見ないこととしています)。
そして、この企業価値と「株式の時価総額+有利子負債」との比較で投資判断を行います。
企業価値に比して極力割安な状態で買い、その割安さが解消されるまで保有を続けるというのが望ましいです。
ただ実際には、自分の中でrやgの方が先に崩れてしまうことによって「永久保有」ができなくなるケースの方が多いように感じます。
諸々考えますと、「永久保有(暫定)」というのが、現実的なあり方ではないかなと思うところです。
↑ ポチっとお願いします。
コメント