加谷 珪一『国民の底意地の悪さが、日本経済低迷の元凶』を読む。

読書

なかなか刺激的なタイトルですね。

輸出主導型経済から消費主導型経済へと移行しなければならない中で、猜疑心が強く、他人の足を引っ張るという、隠れた不寛容な国民の本性が「失われた30年」をもたらしたとの問題提起がなされています。


イノベーションが起こりにくく、モタモタしている間に海外にいいところを持っていかれ、「空気」が重視される抑圧的かつ陰湿な社会に住む中で、どうしても将来に対して悲観的にならざるを得ない。

消費マインドが一向に向上せず、豊かな経済基盤を築けない貧しい社会が、奪い合い(→有限の富に対する、「分配」への過剰な意識にも通ずるものがあると思います)・抑圧的な言動につながる。

こんなメカニズムが働いていることが理解できます。


結果的に相も変わらず前近代的なムラ社会が維持されることとなっているのですが、こういった社会の特徴として以下のものが挙げられています。

  1. 富は拡大させるものではなく奪い合うもの
  2. 人間関係とは基本的に上下関係
  3. 科学的な合理性ではなく、情緒や個人的な利益で意思決定が行われる
  4. 集団内部と外部を明確に区別
  5. 根源的な善悪はなく、集団内部の雰囲気や状況で善悪が決まる
  6. 自由や権利という概念が極めて薄いか存在しない


うーん。。

東京オリンピック開催までのゴタゴタや、目下進行中の「コロナ騒動」、そして現在の政権運営(本では触れられておりませんが)に象徴されるように、まさに今の日本の病理がここにある気がしました。

なかなかこれに対する処方は難しいものはありますが、一人一人がこうした構造があることを意識し、マインドを変えていかないといけないですね。

ニュースを見て何かとイライラさせられる理由を、上手に言語化してくれた気がする本でした。 


自分が会社を辞めるに至った遠因もここに書いてある気がしました。
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