NIKKEIの日の丸テンバガー大研究、楽しく読ませていただきました(ちゃっかり私も一言だけ登場もしていますが)。
やはり多くの人にとって意外感があるのは、リーマンショック以降、5社に1社は期間中にテンバガーを達成しているという点ではないでしょうか。
ところが、実際に主力銘柄でテンバガーを達成したというケースは、その割にあまり目にしません。
手広く分散している中で少ない単元数で達成しているような形(例えば優待株の一部)は、ちょくちょく見かけるのですが。
これはなぜなのでしょうか?
ちょっと考えてみることにしました。
ワークマンのケースから分かること。
ここでわかりやすい実例として、【7564】ワークマン を見てみましょう。
(私がリアルタイムで監視し続けていた銘柄ではなく、ここからの説明は後付けになってしまうことをご容赦下さい。)
2018年9月のワークマンプラス1号店出店前の期間を「A」、出店後の期間を「B」としますと、テンバガーは「A」と「B」の両期間とも投資することによって実現していることが分かります。
そして「A」の期間は、PERで言えば10倍台~20倍台。
吉幾三のCMのイメージを刷新、2016年以降にカジュアル・高機能のPBを強化し、インフルエンサーの力を借りつつ徐々に浸透させていったのですが、それでもPERの上昇については緩やかなものでした。
ワークマン に対する印象は、「優良企業なんだけど、パンチには欠けるよね」といった感じだったでしょうか。
今から見れば業績は右肩上がりでしたし、潤沢なキャッシュフローの割には十分お手頃価格だったのですが…。
その後、ららぽーと立川立飛への出店でマスコミにも度々取り上げられるようになり、「B」の快進撃となったわけですね。
そこからはPERは30倍台以上で定着し、ピーク時には80倍近くまで上昇しました。
ここでの教訓は、「まだ注目されていない時期に買っておくことで、テンバガーは実現しやすくなる」という、まあ身も蓋も無いことです。
「B」の期間は現在進行中ですが、注目を集めるようになると参加者の鼻息も荒くなり、値動きは激しくなります。
ここから入ったとしても、多くの株数を握り続けることはなかなか難しいものがあるのではないでしょうか。
そうなる前に十分な含み益のバッファを構築しておけば、少々の揺さぶりには動じにくくはなると思います。
ただ言うは易しで、実際には「A」の期間に買っておき、それを持ち続けるのはなかなかできることではありません。
次回はその理由と対策について考えてみたいと思います。
(続く)
山の登り方は色々あるとは思いますが、オーソドックスな登山道で考えていきます。↑ ポチっとお願いします。
コメント
テンバガー銘柄は感覚でいうと「ほったらかしていたら勝手にあがっていた」「あるいは毎月ちょっとずつ買っていたら勝手にあがっていた」という感じですね。
逆に言うと、意識がフォーカスしている銘柄は、ついつい値上がりすると若干の利益確定を優先してしまい、その後の大きな値上がりをのがしてしまうようなことになりがちかなと思います。
これを防ぐのは複数単元を買ってからの分割売買でしょうか。部分的に利益を確定してコストを下げておくと、保有ストレスも低くなって売らずにすむところもありますので。
テンバガーはなかなか狙って取れるものではなくて、「勝手にあがっていた」という感覚でいいのだと思います。
分割売買は精神衛生上いいですね。
あまり一箇所に集中する状態を作らずに済みますし、気持ちがラクになります。