ウィズだ、アフターだなどと言われて、「次の銘柄」探しが盛んに行われている今日この頃。
とかく新しいものに目が行きがちですが、ここはちょっと立ち止まり、コロナ禍が既保有企業に与える影響を一社一社考えておくことの方がより重要ではないでしょうか。
春先は色々と投資判断を迫られる局面がありましたが、その際に私にとって役立ったのは、山口揚平さんが著書「知ってそうで知らなかった ほんとうの株のしくみ」で触れている、「利益の源泉を見抜く4つの質問」です。
利益の源泉を見抜く4つの質問。
その4つとはすなわち、
- その企業は「なに」で稼いでいるのか?
(過去の業績) - 「なぜ」稼げているのか?
(過去の事業環境) - 今後、稼げるしくみに変化はあるのか?
(将来の事業環境) - これから「いくら」稼げるのか?
(将来の業績)
です。
投資家が本当に知りたいのはこのうちの”4”なのですが、分析はこの ”1→2→3→4” の流れに沿って行うべきだと本では書かれています。
将来の結果を予測するためには、たとえ回り道であっても、現在や将来の結果をもたらす原因について深く分析する必要があるということですね。
今回のコロナ禍は、投資家にとっては”2”と”3” についての見極めを迫られるものでした。
事業環境を考えた時に、何がそのままで、何が変わっていくのか ー
リログループ売却に効果を発揮。
このフレームワークが役立ったのは、2月以降のリログループの大量売却です。
長年、主力として貢献してくれていたのですが、世界的に「人の移動が滞る」コロナ禍は、「人の移動をサポートする」当社に大打撃を与えることが想定されました。
事業別でいくと、
借上社宅△・賃貸管理×(仲介減少)・福利厚生○・赴任支援×・海外×・観光×
のようなイメージでしたし、近年の前のめりの買収攻勢が裏目に出ることも考えていました。
この「4つの質問」のおかけで、本決算発表日までに時間をかけて、最終的にはピーク時の1/10程度にまでポジションを圧縮することができました。
命拾いしましたね。本当に。。
その他の企業についても、各社の事業を取り巻く外部環境をベースに洗い直したことで、どれを主力に残しておくべきかという判断にも役立ちました。
次に「なんとかショック」が訪れた時も、この「4つの質問」によるチェックを怠らないようにしたいと思います。
↓ 自分に知識が蓄積するにつれ、「最初読んだ時は気付かなかったけれど、実はこういうことが言いたかったのか!」と、後でその内容の濃さに驚愕するような類の本で、私にとってバイブルの一つです。
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