ここからは株価が上がる要因について、3つの要素別に考えていきます。
なお、私が考えているのは長期的な目線であること、目先の「人気度」にフォーカスした目線ではないことを最初にお伝えしておきます。
それでは、前回の式の再掲です。
順番としては、③→②→①で見ていきます。
(実はこの順番も重要だと考えております。)
今回は③と②です。
BPS(1株あたり純資産)
まず全ての大元になるのがココです。
長期的な株価上昇を期待する上では、純資産が安定的に積み上がること、つまりどんなに業績が悪い期でも赤字にはならないことを、私は投資先選定の上での原則としています。
景気変動による影響が小さい企業が望ましく、増収増益基調であればさらに理想的です。
仮に景気変動による影響があったとしても、長い目で見れば業績が右肩上がりになることが予見できればOK、ただし業績変動の波の中でも赤字にはならないことが大事ですね。
RОE
ROEで意識するのは2点です。
一つ目は、「水準」です。
ROEはBPSと掛け合わせることで株価を押し上げていくエンジンとなりますので、低すぎるのは良くないですね。
二桁は欲しいところです。
二つ目はより重要なのですが、「変化」です。
「ROEの変化」についてはあまり言及されることはない気がしますが、私はこれを株価の変化に与えるインパクトが大きい要素(ブーストをかけるイメージ)として大変重視しています。
ROEを3分割する、デュポン式(デュポンシステム、デュポン分析)と呼ばれるものがありますね。
RОE=
①売上高純利益率(当期純利益÷売上高)×
②総資産回転率 (売上高÷総資産) ×
③財務レバレッジ(総資産÷自己資本)
企業の成長段階が進んでいくにつれ、競合の参入により①が低下したり、だんだん市場の開拓がスムーズにいかなくなり効率性が落ちて②も低下したりします。
一般的に、高いROEはなかなか維持できず、多くの企業はやがて漸減傾向をたどることになります。
しかし、逆にROEが改善する局面を迎えた企業もあり、できればそのタイミングにある企業を狙いたいです。
売上高純利益率が高まる事象、総資産回転率が高まる事象が発現していないか?
ここを着眼点にアイデアを膨らませていくことが、現状の私の投資においてはノウハウの肝の部分の一つとなっております(詳細はこのブログ上では控えさせていただきます)。
ぼやっとした例を少しだけ挙げれば、固定費の割合の低下、事業の入れ替わり、経営資源の多重利用が進むなど。
単純にいくつかの指標の条件設定によるスクリーニングを行うよりも、「ROEの変化」を意識する方がよほど魅力的な投資先を発掘できるという実感があります。
(続く)
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