ここまでを一旦まとめてみます。
まず「長期投資の自己目的化」を避け、あくまでこれを手段として用いる上で、「時間がもたらす不確実性」を所与のものとしてとらえるというのが、私の立ち位置です。
そしてその「不確実性」は、 ①価値創造の過小評価 ②リスクの過大評価 を引き起こすため、これらを逆に利用することによって大きなチャンスが生まれるのではないかと考えました。
では具体的にどう対処していけばよいのでしょうか?
私は「不確実性」の中に「確からしさ」を見つけ、本源的価値に近付いていく努力が大事だと考えています。
一次情報にできるだけ近いところにあたり、自分なりに仮説を組み立てながら、光を見出す努力。
・高い経済性を生んでいる戦略やビジネスモデル、競争優位性の源泉をとことん理解する
・歴史を知り、企業文化や経営哲学を理解し、その企業を突き動かしている情熱のありかや、解決しようとしている社会課題を探る
そうすることで、「広く共有されている情報」からさらに一歩踏み込んだ、深い理解をすることができます。
例えば、
・業種的に参入障壁が低いと思われているが、実は容易には真似できない盤石なビジネスモデルを構築している
・景気変動に左右されがちと思われているが、実は長期的に安定成長が期待できるセグメントが育ってきている
等々。
こうしたプロセスを経て、「個人レベルでの」リスク認識の低下(⇒ 他者に一歩先んじた企業の高評価)へとつながっていきます。
そうした深い理解がベースにあれば、
・明るい未来を信じる
・組織を信じる
・人を信じる
といった形で、投資先に対して想いを込めつつ前向きなマインドを持つことができ、不安定な「投資家の心理」にも打ち克つことができると実感しています。
こうした不確かなものの中に「確からしさ」を探す旅が、どこか自分の人生観にオーバーラップする部分があるので、私には長期投資がフィットしているんだなと思ったりします。
「確からしさ」を探す旅は、自分が責任を持ってやるべきもの。
長期投資の主役は自分。
最初は誰かの「真似ごと」から入ってもいいけれど、どこかの段階では「自分ごと」にした方がいい。
何より楽しいから。
それがいま私が伝えていきたいメッセージでもありますね。
(終わり)
今風の言葉にすると、「長期投資はナラティブであるべき」ということですかね。


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