長期投資の主役は自分(3)~リスクの過大評価

投資スタンス

「時間がもたらす不確実性」によって引き起こされるものとして、「価値創造の過小評価」の他に、「リスクの過大評価」があると私は考えています。

リスクの過大評価

再びDCF法について触れますが、「将来生み出すフリーキャッシュフロー」を現在価値に引き直す際、割引率を使用します。

現時点から見れば、将来のキャッシュフローの予測には、時間がもたらす不確実性によって「バラツキ」が生じざるを得ないので、その程度を見積もることによって割引率が決まってきます。


「ハイリスク・ハイリターンの原則」により、リスクが高いもの=「バラツキ」が大きいもの=将来受け取れるかどうか不確実なもの に投資する場合、その見返りとして高いリターンを期待することになります。

要するに、リスクの程度を反映した期待収益率=割引率となるわけですね。


傾向として、景気変動などで業績の振幅の幅が大きいもの、急成長していてその持続性が見込み難いもの、企業規模・体力の面で環境が変化した場合の耐性が弱いと考えられるものなどは、そのリスクに応じて高い割引率を適用することになります。

ここまでは「価値」ベースの話ですが、現時点で・・・・広く共有されている情報からのリスク認識によって、その評価が定まっていきます。


さらに「価格」に関しては、投資家の心理がリスク認識に大きく上乗せされてきます。

今は特に、新型コロナ、サプライチェーン混乱、インフレ、金融引き締め、戦争からの更なるエネルギー価格高騰、ロシア発の金融危機?、さらには我が国の政権の経済に対する無理解…と、リスク要因がてんこ盛り。

先行きが全然見通せなくなる状況にあっては、より慎重に、ネガティブに評価したくもなります。


「現時点で広く共有されている情報」そして「投資家の心理」からもたらされるリスク認識が、投資対象の本源的価値からすると過大評価されている、そしてそれによって株価は過小評価されている可能性が高いのではないか。

だからこそ、そこを自分なりに詰めていくことによって大きなチャンスが生まれるのではないか

それが私の投資アイデアへとつながっていきます。

(続く)

次回でまとめに入ります。
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