ファイナンスを勉強したての頃は、DCF法などで計算した「理論株価」を神聖化しがちです。
私があまり良くないと思うのは、この「理論」という言葉です。
あたかも、ロジカルに唯一の正解が導かれるようなイメージが、その語感にはあります。
しかしながら、実際にはその計算をするにあたっては、計算する人が自由に前提を設定するわけですし、その前提の動かし方次第で幅も出ます。
逆に言えば、その前提を自由に動かせるからこそ、「理論株価」は重宝される(M&Aの世界など、正に…)わけです。
前提は日々変わりかねませんし、「鉛筆なめなめ」もできてしまう世界です。
自分のために使うものであって、本来は人様に教えるようなものではありません。
ましてや、人様から教えてもらった「理論株価」をあたがたく使って投資判断を行おうとするのは、数式に投入する要素がリアルタイムで共有できていて、かつロジックに納得がいっていない限り、ナンセンスであると考えます。
ということで私自身は、誤解を招きかねない「理論株価」という言葉ではなく、せめて「マイ理論株価」とか「目標株価」といった言葉を使うようにしたいと思います。
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