ファンダメンタルズ派による企業評価のうえで最も重要なのは、現在の高いキャッシュフローの水準が将来も継続可能かどうかの分析であると言われます。
その意味では、国にとらわれずビジネスそのものを評価すべきであり、本社所在地がどこか、日本株か米国株かなどということは、本来は投資先選定に際して関係のないことです。
その中で私があえて日本株を選択しているのは、言語の壁に加えて、
- 企業との双方向のコミュニケーションができること
- 企業の「魂」を直接的に感じられること
- (間接的にではありますが)企業の価値創造プロセス&よりよい社会づくりへの参画意識を持ちやすいこと
等の背景があります。
確かに市場としての日本を見た場合、人口動態に代表されるように、行き詰まりを感じる部分は多々あります。
ただ「日本株≠日本市場」ですし、行き詰まりを感じる、課題が存在するということは、それを解決するところにビジネスの機会も存在するということでもあります。
私は日本株への長期投資に関しては、主に以下の2つのアプローチがあるのではないかと考えています。
それは、
- 課題を解決する日本企業
- 世界に通用する日本企業
です。
1の「課題」ですが、日本特有のものとして認識しており、実際に投資に活かしているものとして、以下のようなものがあります。
高齢化(カーブスHD)、慢性的な労働力不足(エスプール)→女性の活躍(ダブルエー)、防災(前田工繊)、空き家問題(カチタス)、コーポレートガバナンス改革(アバント)、非生産的業務の解消(eBASE)…
2については、以下の通り。
半導体製造装置関連(HOYA)、機能性と美しさを備えた製品(SHOEI、シマノ)、地球温暖化対応(ダイキン工業)、漫画アニメ(アートスパークHD)…
内需型で1に留まっている段階のものが、2のグローバルなステージへと、まさにステップアップするような段階で投資ができると最高なのでしょうね。
その意味で、ニトリHDの「住まいの豊かさを世界の人々に提供する」が実現されることを期待しています。
こうして個々の企業に想いを込めながら見ていくと、「日本株での長期投資」は、内外両方の観点からしても決してナンセンスではないと考えられますし、むしろ「日本株はもうダメだ」と思っている人が多い分、大きな成果を得られる可能性すら感じます。
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コメント
勝手に色々共感させていただいておりますが、考えがいつも私の数段上で頭が下がるものです。
例示していただいた会社を、そのようなカテゴリーで考えたことがなかったので「へ~」でした。
私もろくすけさんみたいにかっこよくできるといいなぁと思いました。
大変恐縮です。
歳を取ったせいか、以前と投資のとらえ方、考え方が変わってきた感じがします。