長期投資と目標株価について(2)

投資スタンス

連載記事の補足をしたところで、私が長期投資のスタイルを志向する中で、目標株価をどう活かしているかについて述べていきたいと思います。

目標株価の位置付け。

価値評価としての目標株価を設定していると、「BUY」「SELL」の判断が容易になるというのは、イメージしやすいと思います。

目標株価に対してできるだけ安い価格で買い、到達したら売るという感じで。


ただ私はそれ以上に、「HOLD」において、目標株価が重要な役割を果たす と考えています。


目標株価から現在の株価を差し引いたものを「安全域」とすれば、この「安全域がある限り保有継続でOK」というように、自分の中で強力な拠り所とすることができますし、実際私もそのように対応しています。

「長期的に株主資本が積み上がっていく」「長期的に配当が増えていく」というイメージだけでは、私としてはちょっと心許ないものがあります。

それに加えて、「『価値』に対して、『価格』はどうなの?」という観点、すなわちモノサシを常に持っておくということですね。

モノサシの作り方は人それぞれで良いと思います。

例えば、「5年後のEPS予測×過去平均PER」を目標株価として頭の中で持っておくだけでも、だいぶ違うのではないでしょうか。


もしこういったモノサシがないと、どうなるか。

「買値を下回ったら損切り、上昇傾向が続く限りは保有継続」というような、結局は「価格」を拠り所にしてしまう「長めのスイングトレード」になってしまったり、「長く持てばそのうち報われる」という「雰囲気長期投資」になってしまうことを、私は恐れています。

前者の場合、少しの調整でその後の大きな上昇を取り逃してしまうことになりかねません。

後者の場合、過剰に評価されていたことに事後的に気付き、機会損失の大きさにショックを受けるということになりかねません。


超分散投資を行うのであれば、ミスプライスは紛れていきますので、一つ一つの目標株価を設定する必要は無いと思いますが、個別株で集中投資を行う上ではあった方が良いと考えています。

売買判断の反省材料にも使えますし(成長率を高く見積もり過ぎた、ビジネスモデルの堅牢性を甘く評価し過ぎた等々)、その繰り返しで予測の精度を高めていこうというモチベーションにもなります。

目標株価の存在は、主力の【3836】アバント の保有継続の上でも役立ちました。

長期で見ると右肩上がりですが、赤線で引いた期間の下落率は▲30%、▲40%レベルに達し、なかなか酷いものがあります。

まとまった株数を保有している中、売らずに持ち続ける上で心の拠り所になったのは、やはり「安全域の大きさ」でした。

目標株価を設定する上でのコツ。

はじめから長期投資ありきではなく、「結果として長期投資になる」ような形に持っていきたいと、いつも考えています。

目標株価が簡単に到達してしまうような水準であっては、つまらない結果に終わってしまいます。

かと言って、あまりに遠くを見据え、到達し得ない非現実的な水準に設定してしまっても意味がありません。

自分なりにストーリーをしっかり構築した上で、「その線でいけば、決して不可能じゃない程度の水準に設定する」のがコツです。


そのために、” Look on the bright side“(ものごとの明るい面・良い面を見よう)というメンタリティを保つことも大事だと考えています。

今は業績がイマイチでも、企業文化や経営理念、過去の危機を乗り越えてきた歴史などを理解し、明るい未来を想像する。

とにかく企業の良い部分を見つけることを心がけ、前向きのストーリーを構築する。


裏切られることも多々ありますが、ストーリーを構築する上で自分の至らなかった部分も必ずあるはずなので、その反省を次に活かせばいいという考えでおります。

このように私は未来志向ですので、過去から現在に至るまでの「見える資産」の蓄積には興味が薄いのです。
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