C/F→B/S→P/L(2)~ B/Sでビジネスモデルについて考える(その1)

投資スタンス

C/Fの次は、財務三表の中ではあまり真剣に見ている方が少ないであろうB/Sです。

私自身は企業分析をするにあたっては、C/Fの次にB/Sを重視する必要があると思っていて、B/Sから発せられるメッセージをとらえようと意識しています。


ではどのような視点でB/Sを見ているかと言うと、「キャッシュを生み出している投下資本のあり方」に重点を置いています。

なぜそうしているのかと言うと、「投下資本のカタチに、そのビジネスモデルの思想が表れている」と考えているからです。


投下資本とは、文字通り事業を継続していく上で投じるお金のことであり、B/S上ではその行き先として、

 (広義)運転資本(流動資産ー有利子負債を除く流動負債) 

② 固定資産

という形で表れます(投下資本=運転資本+固定資産ROICを計算する際の分母にもなります)。

「リターンをもたらしている元手」と言ってもいいかもしれません。


これに加えて、流動資産の中に含まれる、

 (余剰)現預金

についても私はチェックしています。


では、それぞれについて、どういう見方をしているかを説明していきます。

運転資本

まず運転資本についてです。

先ほどは(広義)と書きましたが、実際には「(狭義)運転資本=売上債権+棚卸資産ー仕入債務」の方を主に見ています。

この運転資本が売上高に対して大きいと(「月商の〇ヶ月分」と表現することが多いです)、売上高が伸びていく局面では資金面の足かせとなってしまいます。

例えば月商の2ヶ月分の運転資本が必要だとしたら、月商が100から200に伸びた際には、運転資本は200から400に膨らむわけで、差引200(=400-200)の新たな資金を調達しなければなりません。

ですから、売上高の成長を期待する局面においては、「運転資本は小さければ小さいほどいい」ということになります。


運転資本を小さくするには、

  • 回収を早くする(売上債権小)
  • 棚卸資産を抑制する(棚卸資産小)
  • 支払を遅くする(仕入債務大)

という方法があります。

このそれぞれの観点から、ビジネスモデルの優劣を考えていくことになります。


例えば、靴屋さん(ダブルエー)でサイズの展開が他社よりも幅広いのに、棚卸資産の月商に対する割合が低く済んでいることが分かった場合、「それはなぜなんだろう?」と関心を持って調べていくことになります。

そこから、

  • 実店舗とECでの在庫の共有
  • 店頭に売れる分だけを置いておけるだけの、柔軟・迅速な追加生産・供給体制

といったように、ビジネスモデルの一端が見えてくれるわけですね。


あるいはドラッグストアであれば、

  • 回収は現金(回収は早く)、支払は卸売業経由(支払は遅く)

とすることで運転資本をマイナスにして、各地域の中で密度を高くしながら高速出店を実現しているんだなと分かってきます。
(中でも、カード支払を不可にする等、コスモス薬品の徹底ぶりは凄いと思います)


このように見ていくと、だんだんB/Sにも興味が沸いてきませんか?

(続く)

次は固定資産・現預金です。
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