期待を超えるということ。

投資スタンス

”Exceed Clients’ Expectations”(顧客の期待を超え続ける)

前回ご紹介した『「見えない資産」経営』の中で、アーサー・アンダーセンの人事評価における評価軸の一つとして、この項目が存在することが書かれていました。

私も会社員時代、行動原則というほど大げさなものではないですが、仕事に限らず人間関係においても、「期待を超える」ことをいつも意識していたことを思い出しました。


「期待を超える」ということは、相手の「期待」を知ろうとすることから始まると思っています。

「期待」が分かっているからこそ、それを「超える」ことができる。

そして、そこに付加価値が生まれる。

経済的付加価値について。

ここで思い出されるのは、EVA®(経済的付加価値)の定義です。

EVA = NOPAT(税引後営業利益)- 資本コスト額

EVAはスターン・スチュワート社の登録商標で、企業が一定期間にどれだけの価値を創造したかを見る指標です。


ここで「期待」にあたるものが「資本コスト」で、それ以上の税引後営業利益を計上できていれば、経済的に付加価値が生じているということになります。

「資本コスト」というのは、債権者や株主に支払うコスト(負債コストと株主資本コストの加重平均)です。

これは同時に、債権者が「期待」する金利や債券の発行手数料(負債コスト)であったり、株主が「期待」する配当金や値上がり益であったりもします。


長期投資を志向する上で選択すべきは、継続的に経済的付加価値を生み続ける企業です。

つまり、「期待を超え続ける」企業ということになります。

「期待」の二重構造。

投資家として見た時、この「期待を超え続ける」という事象は二重構造であると考えています。


まず、顧客の期待を超え続けているということ。

期待を超え続けている結果、十分な対価を得、まとまった利益を計上し続けることができます。

「お、ねだん以上。」「いつでも想像以上に満足のできる商品・サービスを提供します。」のように、顧客の期待を把握し、それを超えることが、行動原則として言語化できているかどうかも、大事なポイントであるように思います。


そして、投資家の期待も超え続けているということ。

そのためには、まず株主の期待を知る努力をすべきで、「株主資本コスト」を企業側で把握しているかどうかも重要です。

またIRにおいては、「期待」のコントロールも大事ですよね。

安心して投資してもらえるよう、自社への理解を促す活動をする一方で、必要以上に大きく見せたりもしない。

期待・要求水準を高め過ぎてしまえば、それを超えることが大変になりますから。

私はそれらに対して十分に意識が行き届いているかどうかも、チェックするようにしています。


この二つの期待を認識し、それを超え続けようと努力している先であれば、長い目で見てきっと投資もうまくいくのではないでしょうか。

会社員時代に培ったこの価値観は、私の中で今も根付いています。
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