『京都企業が世界を変える』というNVICの奥野一成さんが共著者として名を連ねている本があります。
(日本電産他、京都企業5社の経営者による講演の収録、京都企業独自の価値の解説、グローバル企業への投資、長期投資の意義と実践が主な内容でオススメです。)
この中で奥野さんが述べられた以下の言葉は、現在の私の投資手法における源流の一つとなっています。
結論をいえば、
「市場は企業の利益の蓄積を評価できないほど愚かではない」
が、
「長期的な利益の蓄積を予想できるほど賢明ではない」
ということである。
NVICさんの助言ポートフォリオ(日本株)でのバックテストによれば、BPSの蓄積を追いかけるように株価が上昇しているそうです。
(本の中では1993年3月末~2014年3月末のグラフが掲載されています)
つまり、その蓄積を評価できないほど愚かではないと言うことができます。
一方ではこの結果から、市場はすべての情報を瞬時に織り込めるほどには賢明ではないとも言えます。
将来どれだけ利益を蓄積できるかが株価に反映されていると期待するのは、無理があるということです。
ではどうしたらいいか。
素晴らしい経済性を持ち、BPSの高い複利的成長が期待できるビジネスを選択することさえできれば、この「賢明さ」と「愚かさ」との狭間でフワフワ漂っているうちに儲けることができるのではないか ――
奥野さんの言葉をヒントに、このイメージを持てたことが自分にとっては大きかったです。
フワフワと上昇気流に乗る期間が長ければ、結果的に長期投資によって儲けられるのだと。
「賢明さ」の表れを「価値」、「愚かさ」の表れを(現在の)「価格」と考えれば、そのギャップが続く限り儲けることができるとも言えます。
市場はあまり賢明ではないかもしれないが、少なくとも自分は賢明であろうと努める。 そのために将来を見通せる素晴らしい企業を選び、その本源的価値を見出すための努力を惜しまない。
私はこのアプローチであれば、理不尽きわまりなく感じられる市場の中、トレードの才能に恵まれなくても、一定程度は努力も報われるのではないかと考え、それを採用するに至っています。
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