日本電産株主総会2022(2)~質疑応答その1(★★★★★)

株主総会・説明会

この株主総会のメインは、やはり質疑応答ですね。
永守会長のご発言についてのみ、そのまま口語調で記させていただきます。

質疑応答(1)

(理解促進のため、構成・内容には若干手を加えています)

回答は基本的には関社長が答えた後、適宜永守会長が補足する形です。
ただ質問の内容によっては、永守会長が率先して回答する場面もありました。

【質問1】
車のモーターの次の一手として、空飛ぶモーターに注目している。ドローン用とか。
トヨタのように、無制限で実験を行う場所を設けるといったことはあるのか?


(関社長)
「飛ぶようになるのか」という問いに対しては「YES」。
飛ぶモーターについては、いろいろ引き合いをいただいている。
ドローンタクシーのモーターの話が北米から来ている。
難しいのが法規制で、その整備と並行して進めていく。
今の法律では運転手が要り、モーターは10個付いている。
本当は4個でいいのだけど。
自動で飛ぶのには時間がかかる。
いつになるかは機密事項。

High Attitudeグライダーという、成層圏まで飛ぶ無人航空機もある。
これは3~6ヶ月ステイできるもので、5Gから6Gへと進み電波量が足りない中で活用されるもの。
(※「飛ぶ基地局」としての、高高度滞空型無人航空機を指していると思われます)
この受注がある。

ジェット機にもCO2削減の観点から、ハイブリッド化の動きがある。
水素エンジンで飛ぶもの、ジェットエンジン+着陸時にプロペラを使うもの。
こういったものを共同研究中である。

(永守会長)
なかなかちゃんとした回答をしましたね(会場笑)

うちの強みは軽薄短小、これが世界No.1なんです。
モーターが大きかったら、運べへんのですわ。
軽いとたくさん飛べる。
田んぼに農薬散布するものには、たくさん使われている。

でも空飛ぶ車は作りませんよ。
お客さんの敵になるから。
うちはそれをやっている会社全てに売る方がいい。

【質問2】
新しい冷戦と言われるが、グローバル展開していて安い所で作れる日本電産の強さは維持できるのか?
ロシアに出ていないのは流石だと思ったが、中国には出ていて心配だ。


(関社長)
安い所で作るのもあるが、大事にしているのは「地産地消」、そしてうちの言葉でもあるが「地営地開」、すなわち現地で営業をし開発するということ。
ロジスティクスの費用を抑えられ、関税もかからない。
それぞれの地で完結され、為替の影響を受けにくい体質になっている。

セルビアに工場を建設しているが、場所的にはちょうどいい所。
EUに入っていない東欧の国で、補助金や免税の恩恵はありながら、まだ就業人口に伸びる余地がある。
多くの方は出稼ぎに行っているが、地場で吸収できる工場となる。

(永守会長)
人件費の安い所??全然違う!
聞いていて腹が立ちましたわ。
とにかくお客さんの近くで作る。
日本で作り出したのは、日本に帰ってくるお客さんが増えているから。
うちはね、いっぺん出たら戻らない。
安いから出るとか言われるのは心外、大風呂敷とか言われるのと同じ類ですよ!

為替は損も得も無い。
ロシアには工場は無いが、モノは入ってはいる。
こちらとしては徹底的に考えて出している。

まあ怒るほどのことではないんですが、正しく理解して下さいな。
繊維の会社とは違うんですわ。

タイがやられてもフィリピンと中国でカバーする、中国で何かあっても、別の2か所でやっていく。
メモを取っときなさいよ、頼みますよ!?

【質問3】
1.一台のEVに対して、モーターは金額ベースで何%使われているのか。
2.親会社と子会社とで、EVに関するものはパッケージで売っている?連携はどうなっている?
3.工場の稼働率が低い分野、生産能力の余剰がある分野は?


(関社長)
1→
製品中の6割くらい。
ただこれは作る工作機械のモーターは含めておらず、入れるともっと高くなる。
2→
本体の車載事業部がリードしていて、そこに子会社が協力する形。
一本化する必要は無いと思っている。
グループ会社にはそれぞれの強みがあり、親会社が占有しない方がいい。
例えばインバータ単体の強さがあり、それは独立して活かしてもらいたいと考える。
3→
全てガンガンに回っていると、ご理解いただきたい。

【質問4】
2つ目の方と被るが、拡大すると報道されている中国事業のリスクについて伺いたい。
これは世界と逆行する動きかと思われるが、報道は当てにしたくなく、生でお聞きしたい。


(永守会長)
リスクの無い国は無い。
全体の比率を考えて進出している。
何かあっても会社が大きな打撃を受けないというのが基本。
たまたま中国に売り先が多いということ。
もしも何かあったら、全部置いて帰ってくればいい。

どこかの国に集中して出すことは考えていない。
ビジネスとして安全かどうかを見る。
一番危ないのが日本ですよ(会場笑)
中国でもセルビアでも、同じものを作る。心配しないで。
心配するなら日本。

(関社長)
中国はパクられるリスクがあり、それは宿命。
常に次を見据えて開発する、それを繰り返す。
スピードが必要。

【質問5】
株主数は123千余ということで、21年4月に株式分割した影響で35%も増えた。
株主がこれだけ増えたら、理屈から言えば株価も上がってもらわないと。
株価はしばらく横ばいの時期が続いていたが、株式に関して期待できる発表がなかったからでは?
増配、自社株買いがなく、高値での横ばい。
ならば売ってしまえということで、22年初っ端から大きく下げている。
株価が下がらないような情報を発表し、食い止めていただきたい。

(「あ、これは絶対に怒られるやつ…」と聞きながら思っていました 笑)


(質問が終わるや否や、すかさず「はい!!」と挙手して)

(永守会長)
間違ってますよ!!(叫び)
会社分割は何回もやってますよ。
その後ちゃんと上がってます。
上場来の伸びは一番ですよ。
キーエンスかうちかというくらいに。

世界がだめなら世界の株が下がる。
自社株買いも増配も、全部やっている。
私はあなたの何百倍も持っている。
株主が損するようなことはしません!

今から3年、5年持って、その時にまた言ってください。
全部間違ってますから。
そんなことを思っているやつは、うちの株を持ってはいかん。
嫌だったら、買わなければいい。
会場を出たら売ってくれ!!

→ まさかこの質問は仕込みじゃないですよね?このくだりは新聞記事にも載ってしまいましたね(笑)


(続く)

会長・社長はなかなか名コンビでは?内容が濃くて書いていて疲れましたので、二回に分けさせていただきます。
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