5年連続5回目の参加となります。
前年に引き続き、リアルでの個人投資家向け決算説明会も開催されました。
(なお、ホームページ上の動画は、シャツの色の違い等からも分かる通り、別撮りであります。窪田CFOを交えた、会場でなされたコミュニケーションの部分が非常に重要ですので、次々回の記事をお楽しみに!)
今回は今までの中でも、特に印象深い総会&説明会となりました。

株主総会
2023年6月26日(月)午後1時
大阪市北区芝田一丁目1番35号
大阪新阪急ホテル 2階 星の間
お土産 無し
座席は112席用意され、50席弱が埋まっていたでしょうか。
議長は岩田社長。
監査報告は監査等委員の永田取締役から。
事業報告は岩田社長からでしたが、招集通知の「事業の経過及びその成果」の文章を多少端折りつつ読み上げる形でした。
(眠気に襲われました。各業界向けビジネスの状況についての説明は、既知の情報ですのでもっと短縮化できると良いのですが…)
一方、「対処すべき課題」等については、招集通知記載のページを示されただけで、今回はカットされました。
決議事項は以下の2つです。
- 取締役(監査等委員である取締役を除く。)5名選任の件
- 監査等委員である取締役3名選任の件
(13:23)
質疑応答(1)
(理解促進のため、構成・内容には若干手を加えています)
基本的に岩田社長が対応していました。
【質問1】
「食材えびす」のコンテンツビジネス展開について。
引き合いが来ているとのことだが、まだまだ増加していくのか、現在の状況について教えて欲しい。
⇒
(食品業界は)我々の主力業界であって、コンテンツの充実度・広さ・深さ・品質をメーカーに評価いただいており、食品小売業の採用も増え、それは今後も続いていくと予測している。
その情報を聞きつけてくる色々なサードベンダーがおり、「ぜひ使いたい」とのことで引き合いが増えている。
サードベンダーへの提供については、メーカーとの利用規約もあるので、同意を得つつ、販促への活用という視点で適合しているかを判断しながら進めている。
【質問2】
昨今のインフレで、同じ額でも買えるお菓子がどんどん小さくなっている。
(岩田社長に向けて、大小のカントリーマアム?のイラストが書かれた画用紙を提示)
当社のB/Sを見ると、基本的に何も生み出さない現金・有価証券の割合が8割を超える。
何も施策を講じないと、(イラストを指しながら)買えるものが小さくなっていき、今後の経営に影響を及ぼしかねない。
経営陣は何らかの危機感をお持ちなのか、例えば自社株買いのような施策を講じる考えはあるのかどうかをご教示願いたい。
なお、ご回答に際しては、リーマンショック時の建て直しの話は例に出さないでいただきたい。
インフレの状況や資産に対する保有割合が当時とは違うので。
(新キャラ登場。「いつもここから」みたいな、めくり芸が始まるのかと思いました(笑)。説明に必要であったかはともかくとして、来年のネタにも期待してしまいます。)
⇒
ご指摘に関連して、非常に自己資本比率が高いとは認識している。
これに関しては、経営の安定という面での問題視はしていない。
ではこの金額が多いかという認識に関しては、売上規模50億円に対して資産規模が70億円ということで、より安定的な経営をする上ではもう少し蓄財したいということが一つ。
また実際に有効活用として業務提携・資本提携といった話もあるかと思うが、数十億円単位の案件になるので、一回締結すると安定的な資金が目減りすることになるので、慎重に考えている。
インフレで目減りするのではないかという件については、その視点は持っていなかったというのが正直なところ。
株主様への還元策としての自社株買いについては、今のところ計画は無いが、事前に公表させていただいた上で進めたい。
還元という面では、今回配当性向につき、東証プライム市場の平均に鑑みて見直しをさせていただいた。
(質問者「資本提携・業務提携でお金を使っていく分には良いと考えるので、引き続き見させていただく」)
【質問3】
「2ndeBASE」について。
昨年の株主総会の際、5年後で10億円規模にするというご説明があったが、その見通しには変わりないのか、可能であれば現在の進捗についても教えていただきたい。
⇒
5年後10億円の見通しには変更ない。
進捗は「ぼちぼち」というのが正直な所で、実際サービスリリースさせていただいて、住宅業界についてはご報告させていただいたように、ハウスメーカーの運用が開始されていて、2社目・3社目も続いていっている。
また食品業界においても、皆様おなじみの小売業の店頭での活用も始まってきている。
本当はもう少し前に事例も出てくることを想定していて立ち上がりも遅かったと思うが、実際ユーザーが付いたことにより、他の小売も意識されるので、引き合いとしては順調に伸びてきているという感触。
ということで、「変更なし」という回答とさせていただく。
→ 2nd eBASEの業績貢献はまさにこれからといったところですが、引き合いが順調であるのはいいことですね。1st eBASEにアドオンされて利益成長スピードが加速する話ですので、今後が楽しみです。
【質問4】
覚えておられるか分からないが、前回か前々回の質問で、社長に元気がないと言わせていただいた(岩田社長「覚えております」)。
そこで株価についてお聞きしたが(岩田社長「そうでしたか、ごめんなさい、覚えていないです」)、私が言ったよりもはるかに高いところが目標です、と仰った。
業容としてはプラスにはなっていて、自己資本にしても、ROEにしても、非難されるものではないと思う。
ただ、今配当性向について仰ったが、配当性向なんて言葉は今は死語で、累進配当が大きな流れ。
御社はプライム市場に上場されていて残れるかどうかはよく分からないが、ただ配当は1%も無い。
今プライム市場の加重平均は2.5%くらい。
株価は上がらない、下がりっぱなし、配当は低いとなれば、持っているメリットが感じられない。
それから社長の選任の理由の箇所に「持続的な企業価値向上の実現のために」とあるが、これは何か?
業容は拡大しているが、株価とのミスマッチがあるのは、企業経営者として責任があると思う。
もっと市場と相談しながら業容を拡大していかないと。
ニデックさんの配当可能額超過の件が話題になったが、株価に対して配当はどのくらい可能か、プライム市場に残れるのかも検討いただき、株主に対してキャピタルゲインが無理ならせめてインカムゲイン、配当だけでも増えるようにして欲しい。
今のままだったら、100年かかっても配当で元が取れない。
どうお考えになっているのか、お聞きしたい。
(この方は私もよく覚えています。前回も冒頭で強烈な印象を残しておりましたが、今回もパンチが効いてますね。)
⇒
株価向上は、継続的に利益を上げていくことだと考えている。
その結果として市場の評価を得、経営効率が上がり、連鎖的に企業価値が向上するものと考えており、まずは経常利益を上げていくことだと認識している。
経常利益を上げていくためには、経営理念でも掲げている通り、社会貢献できる事業を企画し、我々の強みを活かし、ブルーオーシャンを創っていく。
そうして経常利益を継続的に成長させていくことが、私の考えであり経営陣の考えであると認識している。
つまり、経常利益はこれからも上げ続けていく、しかもそれが社会貢献をしていける前提でということで、企業価値向上を目指していきたいと考えている。
配当性向に関しては、剰余金は株主の皆様のお金であることを認識しており、早期に皆様にお返しする配当か、いったん蓄財して投資に回していくかだが、先程お話させていただいた通り、投資にはまだ早いかなと思っている。
(質問者「経常を増やしていって、業容を拡大していって、なんで株価は下がるんですか?企業価値は向上していないでしょ?疑問に思われませんか?」との質問に対し)
そこはマーケットが決めること。
(質問者「でもマーケットが認めていないということ。マーケットに対するアピールが足らない。そこは考えてもらわないといけないんじゃないですか?ここにおられる方は、当然御社の事業の成長が続いていくことを望んでいるし、インカムを少しずつ上乗せしていただき、持つ価値・モチベーションを株主に抱かせていただかないといかんでしょ?」との発言に対し)
その通りであり、株価を上げていくことが株主の皆様への一番の還元になると認識している。
(質問者「ぜひ実行して下さい。元気出されてお願いします。」)
成長については、健康な限り、頑張っていきたい。
(質問者「もっとアピールして下さいよ。株価に反映するように。以上です。」)
ありがとうございました。
→ やっぱり糠に釘、暖簾に腕押しetc. 噛み合わな過ぎて、ある意味、名勝負かもしれません。「企業価値」の解釈に関して、決定的な溝もありますね。
(続く)



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コメント
名対決のところが面白いです。私も出席している株主総会のところではそう言われるように質問していきましょうか。キーエンスとかね。
IRセミナーもですが、質問しようと思ってあれこれ考えたり、メモしたりしていると眠くなることがないですね。
事前に質問することを用意していたのと、招集通知そのままだったので、眠くなりました。
情報の共有、ありがとうございます。
とても参考なっています。
ホームページに公開されたビデオを見たが、資料を読んでいるだけで、コメントは一切なし!
退屈になりました。
あれは見るの苦痛ですよね。。
実際の説明会のほうは、窪田CFOによる解説もあり、大変充実しておりました。
本当に苦痛でした!
成程!なのでろくすけさんのブログはとても貴重な情報源になっています。
その続きをぜひよろしくお願いいたします。
やはり株主総会を参加するといろいろ生情報が入手できますね!
今まではその意識はありませんでした。
これからできる限り参加するようにしてみたいと思います。
レポートありがとうございます。有意義な情報もあったようで、地元なのに仕事で行けずで悔しいです。
来年こそは。
質問4のやり取り見てて、
「株価は影だから本体を見よう。」って石川臨太郎さんが著書で書いてたのを思い出しました。
もちろん株価も上げて欲しいですが、そこ目線だと確かに持っててもどかしい銘柄ですよね。
分かりやすい夢というか売上利益倍増計画は語ってくれませんし。
「株価は影」ですね。
当社は実体が見えづらいだけにホルダーとしてはやきもきしますが、その分、進めている戦略を推し量り、未来を想像する楽しみはあるかと思います。