株主総会に参加した順番からするとオムロンになるのですが、ブログ記事の方は現在も保有している企業を優先したいと思います。
HOYAは4年連続4回目の参加です。
今回は鈴木洋氏が完全に退かれてからは初めての総会となります。
株主総会
今回は見晴らしの良い会場でした。
90席用意され、参加は30名程。
相変わらず時価総額の割に、参加人数は少ないですね。
なおライブ配信はありました。
議長は池田CEO。
初めてということもあって、若干緊張気味のように見受けられました。
監査報告は従来通り「記載の通り」で秒殺。
報告事項については、まず2023/3期業績について映像とRead Speakerにて説明されました。
毎回、株主総利回り(TSR)を発表するのが特徴的な所で、当社は5年で+184%(配当込みTOPIXは+32%)となったとのこと。
ありがたいことです。
続けて、会社役員の報酬等に関する事項に関し、資料の記載箇所について言及がありました。
決議事項は、
取締役7名選任の件
のみです。
併せて指名委員会委員長の浦野委員長より候補者として必要な条件を満たしている旨の発言があり、候補者7名の簡単な紹介がありました。
(10:21)
質疑応答
(理解促進のため、構成・内容には若干手を加えています)
質問内容に応じて、発言者を割り振るスタイルでした。
【質問1】
ライフケア・情報通信それぞれの、海外の地域別売上高についてについて教えて欲しい。
併せて、それぞれの市場についてどのような姿を目指していくのか教えて欲しい。
⇒
(廣岡CFO)
ライフケアは2/3、情報通信は1/3。
それぞれの地域別売上高については開示していない。
グループ全体としては、2022年度は日本が20%強、米国は20%弱、欧州が20%を若干超え、残りはアジア。
基本的には、色々な地域においてバランス良く売上を立てていく方針。
(池田CEO)
どの地域でいくら売上を立てるかという目標よりも、それぞれの事業についての考えがある。
情報通信については、我々の経営の考え方である「小さな池の大きな魚」に則って、大きなシェアを目指している。
地域別というよりは、その製品においてのシェアを最大化させるという考えの下、売上拡大・シェア拡大を図っている。
ライフケアについては、残念ながら「小さな池の大きな魚」となっているものは情報通信ほどではないが、それぞれの事業は上位数社の中には入っているものがいくつかある。
市場の成長率を上回る成長率を実現することを目標として、各事業の事業計画を策定し、日々推進している。
【質問2】
社外取締役の方に伺いたい。
御社のようなグローバル企業において、内部統制の担当の方が監査に回る際、取締役の方々は一緒について往査するとか、あるいは三様監査の形でレポーティングを受けたり等はされているのか、そしてその中でどういう発見があって、どういう風に執行側に指導してきたのか、教えていただきたい。
そしてこれはお願い事項であるが、株価が上がってもすぐ下がってしまってなかなか戻らず、昔と比べたら存在感・神通力が薄れた気がしている。
それを取り戻すために、日経CNBCの「トップに聞く」等、そういう場に出て色々お話をしていただき、会社の課題や、それをいかに克服するかといった所をアピールいただきたい。
⇒
(池田CEO)
後半のご意見に関しては、今後の参考にさせていただきます。
(吉原取締役・監査委員会委員長)
ご指摘のように、我々は三様監査を適用している。
特にHOYAのように海外事業が8割を超えるグローバルカンパニーにおいて、三洋監査の担い手である監査委員会がリードしているが、内部監査室が本社にあり、また事業部ごとに内部監査部門があり、それとともに我々の独立監査人である監査法人があり、その三者がリスクというものを共有し、監査計画を共有しながら、進捗を監視・チェックしている。
海外リスクについては、海外でのアクティビティがこれだけ成長してきている中、注目している。
内部監査部門の監査計画の中で、グローバルのHOYAのオペレーションのリスクを識別し評価し、また不備が見つかった場合にどう対応していくかについても随時報告を受け、そういう対応でいいのかということについて、内部監査室とともに監査委員会でも議論を重ねている。
また財務諸表に連結・単体ともに意見を述べているトーマツ監査法人に対しても、監査計画の段階から、グローバルのオペレーションがいかに大事かということを強調しているし、彼らの方からの内部統制に関わるコメント、また経営そのものに関わるコメントの形で助言を受け、監査委員会としての対応として執行に適時にフォローアップもさせていただいている。
【質問3】
生成AIに関連したインパクトの大きさが、市場で意識されている。
データセンター需要の高まりもあるかと思うが、御社の情報通信事業においてどのような新たな動きが出てきているのか、足元の状況について教えて欲しい。
(私からの質問です)
⇒
2つの観点からお話したい。
まず、ChatGPT、生成AIといったものが世の中で発展していくと、当然半導体チップが必要になる。
特にGPUが多く使われる。
GPUを作る際に、当社のマスクブランクス、特に先端のEUVのマスクブランクスの使用量が上がるものと推測される。
そして作られるデータ量が増えると、データーセンターで蓄積されるデータの量も増えるが、それをストレージするのはHDDが主力。
そこに入っている我々のガラス基板の需要も増えることが予想される。
残念ながら、昨年度は情報通信事業も減収減益となっていたように、どうしてもシクリカルなところがあり、世の中全体でデータセンター、HDDを作り過ぎ、在庫が溜まり過ぎている状況。
足元はマスクブランクス、HDDの需要は少し滞っている。
ただ中長期的に見ると、先端の半導体の開発が進むような技術、例えばChatGPT、生成AI、AR・XR…そういったものが発達するに従って、情報通信事業の主力であるマスクブランクス、HDD、どちらも成長できる事業であると考えている。
ここで質疑応答は終了。
(10:36)
議案の採択の後、退任する社外取締役2名からの挨拶がありました。
(浦野取締役)
HOYAはほんのわずかな年を除いて、株主の皆様のご指導ご鞭撻により力強い成長を遂げてきた。
企業成長のためには、三つの事が大切であると思う。
一つ目は、新製品・新サービスの絶え間ない開発。
「小さな池の大きな魚」を得るのに、HOYAは独自能力を磨いている。
二つ目は、生産性の向上。
分子を大きく、分母を小さく。
コロナ禍においても、HOYAの瞬発力は見事なものがあった。
三つ目は、M&A。
HOYAの成長は、上手なM&Aに大きく支えられてきたと言えるのではないか。
現執行陣は、これら三つをきちんとやり抜く能力と強い意志を持っている。
取締役会は執行陣のそのような行動を、ある時はそっと背中を押し、ある時は強く背中を押しながら、支えて参りたいと思っている。
これからはいち株主としてHOYAを応援していく。
長い間、ありがとうございました。
(海堀取締役)
先程ご承認いただいた取締役は執行の監督と支援により、HOYAは更なるサステナブルな企業価値向上を目指していく。
今後の株主様のご愛顧・絶大なご支援をお願いしたい。
以上で閉会となりました。
(10:40)
所感
無駄のない総会運営は従来通りですが、やはり鈴木さんがいらっしゃらないので、トークでクスリと笑える場面は無くなってしまいました。
質問で聞きたいことは聞けましたし、退任される浦野さんのお話も良かったのですが、質疑におけるご回答はやや形式的で、全体の印象として少し物足りなさを感じました。
評価は★3つ寄りの★★☆☆☆とします。
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愛南町は交通の便は良くなく、アクセス的に東京から最も遠い場所の一つと言われるのも頷けます。でも風光明媚な景色と出会った人々の温かさはそれを補って余りあり、また訪れたいと思いました(ただし、車で)。
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コメント
この規模の会社の割に30人程度しか来てないのは何か残念ですね。
なんでこんなに人気ないものでしょうかね?
「中高年層の余暇」として株主総会を捉えた場合、値嵩であること、経営が洗練されていてケチの付けようがないこと、でしょうか。