ニデック株主総会2023（２）～質疑応答その1（★★★★☆）

それでは質疑応答です。

永守会長に物申すチャレンジャーが必ず現れるので、バトルが始まるのはお約束ですね。

質疑応答（１）

（理解促進のため、構成・内容には若干手を加えています）

初めに第一会場、次に第二会場から質問を受け付ける旨の案内がありました。

そして、多くの方に質問していただきたいため、1人1問とし、続けて質問される方に対しては途中で打ち切らせていただくとの説明がありました。

回答は小部社長がいったん受け付ける形でしたが、発言のほとんどは永守会長でした（笑）
（永守会長のご発言については、口語調で再現しております）

⇒
（永守会長）
ずっと株のグラフを見てもらったら分かるように、1988年に上場して山あって谷あって上昇してきました。
当然、2025年には最高株価に持っていきますわ。
去年、ぐちゃぐちゃ訳のわからん雑誌が書いたから遅れているわけであって、あんなん書いてなかったらもっと上がってますわ。
要するにね、そんな雑誌買うてるからあかんわけや（会場笑）

だからね、ちょっと下がってるなと思うならね、ナンピン入れなあかん（会場笑）
もうだいぶ上がってきたからね、6千円台で買わなあかん。
そっから2千円上がってね、わずか3ヶ月ですよ。
こんなもん違うからね、今から出てくるのは。
7月にまた決算発表しますわな……そんな言えへんけど、今は（会場笑）
だけど待って下さい、私がやってんやから！
私が経営やっててね、それで信用できへん言うのなら、買うたらいかん（会場笑）

（「みんなジャンピングキャッチが好きなんです」との質問者の声に対し）

上がってはこうして落ちて、上がっては落ちて…こうしていくのがね、株価は一番寿命が長いんですよ。
昔から持っている人はごっそり儲けてはるわ。
そんなね、わずか2,3か月前に買うて下がったからどうしてくれるんやとかね、そんなんでは金は貯まらへん（会場笑）

だからね、そんな短期で儲けようと思ったらね、うちの株は買っちゃダメ。
ユニクロとかソフトバンクを買えばええんや（会場笑）
うちはね、売上は京セラ抜きましたで。
2兆2千5百億円、京都で初めての2兆円企業ですよ？
後で京セラも2兆円行ったけど。
歴史から見たらうちは京セラより14年若いし、村田から見たら倍くらい違うし。
そんな後から来てバッと上がってる、先月買うて今月上がってるなんてのはね、マグレで上がっとんのや。

だからね、我慢して下さい、我慢。
大儲けしよう思うたらね、我慢ですわ。
そんな簡単に儲けたら、そんな金はね、どうせロクなことに使いませんで？（会場笑）
競馬場に行ってスッて終わりや。
だから大事なお金やと、待って良かったと、そういう風に思わないかん。
それがニデックという会社なんですよ、分かります？

今年は50周年、記念式典やるわけですよ。
家の中綺麗にして、ゴミを全部捨てて、必死にやって次の50年があると。
過去最高の売上も抜きました、利益も抜いてくるし、だから株価も抜いてくるわけですわ。
あんま具体的に言うとインサイダー情報になるから言えんけどね。
ぐちゃぐちゃ言うやつはね、持ってもうたらあかん言うことですわ。
うちの株はそんなもんじゃない。
京都から10兆円、20兆円の会社を出そうと。
それを応援したろうじゃないかと。
そういう人に買ってもらいたい！

わずか100株しか持ってない株主がね……いや、100株大事ですよ（会場爆笑）、大事ですけども、そんなに偉そうに言うんやったらね、せめて1,000株買えやと（会場笑）。
それなら少し話聞こうじゃないかと。
100株でそんな酷い事を言うのかと、経営者に対して。
経営者だってね、そんなに言われたらやる気無くなりますよ。
…いや別に、あなたがと言うとるわけじゃないですよ（会場爆笑）

まあまあ、期待に応えますからね、安心して下さい。
私がやっている間はね、損したなんて言葉を聞くの嫌いですから。
ちょっとは待ってもらわないかん、種も蒔かんといかんし、大きな工場を作らないかんしね。
金もかかりますわな。
それもやらんとやね、もっと儲けんかいとか、無い。
分かりました？

（「はい、ありがとうございました！」と回答者は元気よく返答）

→　長期投資の要諦を教えていただいた気がします。

⇒
（「はい、議長」と永守会長が挙手）

（永守会長）
これはね、あんまり本音の話はしない方がいいと思うんですけどね、やっぱりスケート協会なんですわ。

止めようと思ったのはね、金メダルを2個取ったんですよ。
それでうちの選手が本社の僕の所に挨拶に来よったんですが、その時にオリンピックの服着たらあかんとか、メダルを持って行ったらあかんとか、そういう事を言うわけ。
会社は育成やら何やらで、年間5億円くらい使うとるわけや。
それやのに、その本社のオーナーの所に挨拶に行くのに、オリンピックの服着たらあかん、メダル持ってったらあかんとか、そんな事言われるんやったらね、もう私らやる必要ないわなと。
さらに名前を言うとくと、橋本聖子参議院議員（会場笑）
まあ彼女だけが決めたわけじゃないと思うんですけどね、やっぱりオリンピック委員会というのは完全に怖がっとるんですよ。
オリンピックも要らんわね、はっきり言うて。

そんなバカな話あります？
うちが練習費全部払ってやっとるんですよ？
それで全然何もできへんわけや。
各工場に応援者おるわけや。
そこへ私服で来られても値打ちあらへんがな。
やっぱりオリンピックの服着てやね、メダルに触らせてあげるとかさせんと。
持って帰るのはあかんですよ、触らせるだけや（会場笑）
それもしたらあかん言われたら、やります？
四十何年やってきたんですよ？
どんどんどんどん厳しくなって、バカバカしくてやっとれんわ。
それならもっと他の所にお金使うたらええと、そうでしょ？
…というのが、これ本音です（会場笑）
まあ、あんまり他所には言わんといて。

僕もずっと続けたかったんですよ。
僕はチームで走らすより一人で走らすのが好きだからね。
野球とかあんなん嫌いだからね。
僕がやってから、どんだけメダル取ったか。
礼に来なあかんわ。
それが服着たらあかん、どこ行ったらあかん、何で言われなあかんのや。
自分の社員ですよ？
…ちょっと思い出したら、余計腹立ったわ（会場笑）
まあ、そういうことですわ。

（質問者「同級生がスポーツ庁長官の室伏広治なんで、伝えてみようと思います」）

⇒
（小部社長）
そっちの方が長いですわ（会場笑＆拍手）

（質問者「すみません、あなた方のほうがもっと長いですわ」）

（永守会長）
決議取ってみ？
質問者様の方法がいいのか、今まで通りがいいのか。

（小部社長）
決議を取る前に（話をさせていただく）。
この株主総会では皆さんが疑問に思っていることを丁寧に説明させていただきたいと考えている。
過去からニデックという会社にお付き合いされてきた方は、ご理解いただけると思う。

質問者様のご意見がいいと思われる方もいらっしゃれば、いや今まで通りでいいじゃないかと思われる方もいらっしゃると思うが、今まで通りでいい方！（大きな拍手）
はい、ありがとうございます。
これがニデック独特の株主総会。
従来通り進めさせていただいて、納得のいくまでお聞きいただければと思う。

（永守会長）
今の質問者様に賛成の方の決も取ったらええ。

（小部社長）
分かりました（笑）
質問者様が仰るように、もっと短くした方がいいというご意見に賛成の方、拍手をどうぞ。
（…シーン）
ということで、次に行かせていただく。

→　チャレンジャーがやはり現れましたね。小部社長の”子分”っぷりも感じ取れるやりとりでした。内部の人間、株主とも、永守信者になれるかどうかが全てといった印象です。

⇒
（小部社長）
M&Aで入手した工作機械事業はこれから大きく成長させていく。
ご質問に回答する上で、会長からご意見を伺えれば。

（永守会長）
まあね、簡潔にやれ言うたら、こんな株主総会やったらダメですわ（会場笑）
面白おかしくやらんと。
僕は他の株主総会行っているから分かりますけどね、何か言うでしょ？
そしたら、「貴重なご意見として承ります」とかね、面白くないでしょ。

それでね、次は何を買うかって、そりゃ言えませんわ。
ただ毎年1社か2社、コンスタントに買ってますけどね。
そんないい加減な会社は買いませんしね、挙げられた2社も大赤字だったですが、今は15%くらい利益上げている。
速いですよ、再建は。
最低1年で再建できますからね。

歯車の機械を買うたわけですが、あれは電気自動車に必ず付くわけですし、飛行機にも付くでしょ？
静かな歯車を作れるのはそこしかあらへん。
余分なものを買いませんし、必ず利益を上げます。
次何買うかは言えませんが、また今年も買いますから。
待ってください。

…これくらいで終わったら、文句出えへんわけや（会場爆笑）

⇒
（小部社長）
私自身、50年前は当時24歳、会長は28歳。
4人でスタートした会社ですけどね。
まあ、その時も情熱は永守にはありましたけれども、私には何の事を言っているのかサッパリ分からなかった。

やはり全然違う。
会社を作って、日本を代表する、世界的な企業にすると、当時言われた。
私24歳で社会人になって1年、分からないけれども、それを信じてついていくかどうかだけ。
それを信じた結果、会社を創業して15年目に上場。
それからは株を持っている方は実感されていると思うが、どんどん成長していった。

当時はHDD。
この記憶装置があったから、アップルが存在し、今のグーグルが存在する。
我々の軽薄短小が、色々な所に使われる。
それをベースに、そればっかりじゃいけないということで、新たな世界に参入する。
その参入をする度に、ますます会長は元気を付けている。

このまま後継者など関係なく続けられればいいじゃないかと思うかもしれないが、それじゃやはりいけないということで、過去数年にわたって後継者問題があった。
そして昨年9月に社長に就任させていただいた。

まさに創業当初の状態。
いつもガンガンやっていて、ますます会長は元気。
機械加工事業を作ったり、M&Aをやってきた。
ニデックは世界43か国に、350近い事業所を持っている。
アメリカのエマーソンを買収して、欧州の会社も買収して、その結果として事業を広げていて、さらに広げていこうとしている。
先ほど説明させていただいたように、空飛ぶ自動車もやっていて、全然気持ちは衰えておらず、ますます元気盛んだということをお伝えさせていただく。

（続く）

一定程度、発言を任されていた関さんが退任されたことで、永守会長のご発言が昨年より圧倒的に増え、書く方としては大変です（苦笑）

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