二年連続二回目の参加となります。
やはり生の「永守節」を一度でも拝聴すると、また参加したくなるのが人の常だと思います。
この1年は関さんの実質解任から始まり、色々とゴタゴタとしていましたので、特に注目しておりました。
株主総会
受付開始は9:30だったのですが、私は8:55頃に来ました。
それでも列ができていましたね。
750席くらい用意されておりましたが、ほぼ埋まっていたかと思います。
コロナ明けということもあってか、会場を目一杯使ってびっしり席が設けられていましたので、去年と比べるとちょっと窮屈でした。
満席となった場合に備えて、第二会場も用意されていたようですが、そちらからは質問等はありませんでした。
それにしても、大人気です。
議長は今回については”子分”である小部社長。
開会に先立ち、前期の中間配当金支払及び当社の株式取得が分配可能額を超過していた件、及び調査報告書を受けた対応についての説明とともに、関係者に多大なるご心配をおかけした点について改めてお詫びの言葉がありました。
(永守会長はこのお詫びの際、お辞儀をしていなかったようにも見えましたが…気のせいかもしれません)
冒頭に、感染防止対策として、スタッフのマスク着用、質疑応答時のスタンドマイクの使用についての説明がありました。
監査報告は、常勤監査等委員である村上取締役より。
通常の報告に加え、6/2付けで開示され先程説明のあった分配可能額超過の件についても言及。
会社が事態を真摯に受け止め、事実関係及び発生原因の究明に向けた調査に取り組むとともに、調査報告書を踏まえ、再発防止の徹底を図ろうとしていることを確認している点、その他取締役の職務執行について指摘すべき事項は認められない点について説明がありました。
また、監査報告書は5/18付けであり、当該事象は監査報告書の意見に影響を及ぼすものではない、との確認を受けている点にも言及がありました。
事業報告については、映像・ナレーションにて。
招集通知記載の内容に沿ったものがほとんどでしたが、決算説明資料にあった「コロナ後の新『5つの大波』」についても言及がありました。
(10:19)
「戦略と展望」
前段が長くなりましたが、ここからが永守会長からの「戦略と展望」という名の大独演会となります。
以下、なるべくそのままに近い口語調で書いているつもりですのでお楽しみ下さい。
(永守会長)
どうもおはようございます、永守です。
後ほど質疑で賑やかにやりましょう(会場笑)
その前に、新しい製品の一部をご紹介申し上げたいと思います。
これは一昨日、パリの航空ショーで発表したもので、おそらく初めてご覧になると思いますが、eVTOL、これ今日の日経新聞でも特集が組まれてましたが、全部電気なんですよね。
今まではエンジンでしょ、これCO2出しますね。
でもこれはね、全部モーターで飛んどるんですよ。
浮上させるモーターと、前進むモーター。
これ6人乗りでパイロットが1人いて、乗客は5人。
どういう所で使うかと言うと、車だと混みますね。
アメリカだと特にそうなんですが、NYの街からケネディ空港に行くのに何時間もかかると。
こういう時にビルの上から、飛行場要りませんから、スーッと上がってって、ビューッと行くんですわ。
将来はね、皆さん方が1台ずつお持ちになるんですよ。
家に置いといて、朝ビューッと会社行くんですわ。
道、全然混みませんな。
将来は100人乗りとか大型のものまで、全部モーターですわ。
CO2吐き出したら問題ありますからね。
小型機は実用化しましてね、我々が組むのはブラジルの小型機専門の会社(Embraer S.A.)なんですよ。
いわゆるプライベートジェットとかね。
普通はヘリコプターなんですが、ヘリコプターっちゅうのは音が大きくて。
これは静かですよ、特にニデックのモーターやったら物凄い静かや(会場笑)
ヘリコプターは1本の軸だけで何かあったら落ちるんだけど、これは6~8個のモーターがあって、1個くらいダメになっても大丈夫。
これは他でもやっているって新聞なんかでも仰いますけどね、モーターが大きくて重かったら、人運べへんわけや。
だからいかに薄くて小さくて軽くできるか、そういう技術を持っとかなあかんわけ。
それがニデックですわ。
それでですね、ブラジルのこの会社がね、うちが売り込んだんとちゃいますで、向こうからぜひやってくれ、やってくれ、やってくれって、頼まれて嫌々やっとるわけだから(会場笑)
だから他の会社も全部来ますわな。
重さが違うんだから。
いかにモーターを軽くするか、充電で走りますから電気をいかに少なく消費するか、というのは全部モーターですから。
だからニデックのモーターというのは、軽薄短小、そういうモーターばっかり作っている。
それでお客さんが声を掛けてくれて、合弁会社を作ったと。
そういうことです。
それで昨日株価が上がっとったけど、今日また落っこちた(会場笑)
昨日は他がダメでうちだけバーッと上がっとったんだけどね…まあ、株価の話は後でします(会場笑)
マーケットは莫大なんですよ、皆さん!
なんと2050年には1,100兆円ですわ。
これは中途半端な話とちゃいますで、百万、5百万みたいな話とは桁が違う。
これが始まってきて、我々こういう所に随分研究開発をやってきたわけ。
そやのにね、何や株下がっとるやないかとか、むちゃくちゃ私に電話かかってきて、何を言うとるんやと(会場笑)
もう永守もあかんようになったとかね、そんな電話もかかってきたりしてね…まあ、ちょっと今日はだいぶ言わしてもらいましたけどね(会場笑)
こういう所に投資しとるんです、今。
いいですか、投資もしないで花咲きますか?
なんかその辺のまんじゅう買うてるのとちゃいますで。
これがいよいよね、出てきたんですわ。
個人なんかね、車で道路走ったらもうダメ。
自家用、そんで家の庭に置いとけばいいわけや。
で、朝行って来ますと。
そのうちね、人が運転しなくても全部電動。
ボタン押して相手の電話番号パパパッと入れるでしょ、勝手に飛ぶ、そういうもんなんです。
だからこれから我が社の売上もごっつうなりますぜ?
そんな小さな売上ちゃいますぜ。
仮にこれが飛行機の中のモーターの20~30%としたら…ごっついですよ。
これを何十年かけてやってきたんですよ。
皆さん方に色々言われながらね、耐えてきたんです、私は(会場笑)
その次にロボット。
2050年には6億台のロボットが働くことになる。
現場はもう人要らへん。
この中にはもの凄く重要なものが3つある。
モーター、センサー、ロボット用の関節。
ニデックのFLEXWAVE言うて、世界のロボットメーカーほとんどが使ってる。
これも今からですよ!
世界一になりますわ、間違いなく。
次はクルマ、E-Axle。
これだけ供給している会社の中では、世界No.1ですわ。
今からガソリンじゃなくてこれで走るわけだから、モーターですわ。
モーターが電気たくさん食ったら、走る距離は短くなる(だから省電力のうちが選ばれる)。
それともっと重要なこと。
今あちこちでやっているけど、違うのは、ガソリン車はガーガー走っとるわけや。
そこへこの車が出ても、ガソリンに比べたら静かじゃないかと。
ところがですよ、今から全部ガソリン車が無くなって全部電気自動車になったらね、ちっちゃな音が気になるんですわ。
音だけちゃいますよ、振動、熱、これ全部モーターから出るんです。
音立たない、振動出さない…まあ、そのうち分かりますよ。
他もやっているか知らんが、問題はこれからですわ。
何十年かかったと思ってるんや、先行投資、研究開発や。
それなのにやかましい株主がね、なんで株下がってるんやと(会場笑)
去年はね、さんざん三流週刊誌に嘘八百書かれて…まあだけどね、あの記事もね、有名じゃなかったら書かれへん、本売れへんのやから。
ただの人のこと書いても売れますか?
(材料は)まだいっぱいありまっせ。
これからこういう時代なんですよ。
世の中変わってしまったんですよ、技術が。
だからいい感じになりますよ、株は。
ちょっとぐらい下がっても、待ってないかん。
三週間前にも「下がった、どうしてくれる!」と。
もう既にね、去年バーッと下げて、今年は6千円台もあった、これは安いと。
だから株を買えるだけ買うた。
買い過ぎて注意されたわけや(笑)
自社株買いをやり過ぎたわけや。
さっきもなんか謝ってましたね、社長が(会場笑)
社内がしっかりしてなかったとか言いますけども、公認会計士がおるわけや、最後に。
それを見落としとったんやから(会場笑)
全部会計士が悪いとは言わんけど、それ言うたらあかんから…いや、うちが悪いんですよ(会場爆笑)
うちが悪いんですけど、最後にそれを見てくれるという安心感もあったわけだから。
でもそんな法律の細かい所までね、会社の人間も知りませんわな。
だから公認会計士を頼んでるわけや。
その専門家である公認会計士が見落としてるわけだからね……許してやってください(会場笑)
まあ、わずか3ヶ月で株は2千円戻りましたよ。
だから去年も今買え言うてんねん。
グダグダ、何や、どうなってんねんだとか、しまいには会長ボケただとか色々言われてね、ボケてるわけない、こんな元気なのに(会場笑)
だから電気自動車の工場どんどん作らないかんし、そらね、先行投資があるわけですよ。
下がった所を買わなあかん。
会社も買うてるわけやから、グワーッと。
そこで買わないかんのに…今や!言うて。
文句言うてどないすんねん。
チャンス与えとるわけや(会場爆笑)
そんで買わんとね、なんでこんな下がってんねんって…下がっているのを買うために下げてるんじゃないか!(会場笑)
そうでしょ?
まあ、まだ質疑応答で文句あったら言うて下さい。
今日はあんまり長くやるなと言われてるんで、これくらいにしておきます。
マーケットは大きい。
車でも何十兆円や。
ロボットも何十兆円ですよ。
それで必ずモーターが要る。
我が社は今年満50周年。
私の自宅で、従業員3人で立ち上げた。
会社やってきて50年、やっぱり50年経つと色んなものの垢がたまるんですわ。
古い古い機械で加工したり…そんなの全部捨てて、新しい機械に変える。
それを構造改革って言うんですわ。
それから買収した会社が古い古い社宅をいっぱい持ってたりね、そんなのを全部捨てたんですよ。
だからね、構造改革で利益が下がったと。
それはね、次の50年のためには、ちゃんときれいにして渡さなあかん!
次の後継者に…そうでしょ?
そんな中身も知らんと、会社の株式課に電話かけてきてくちゃくちゃと…なんだと、そんな私を信用できへんのかと!
私を信用できへんのに、なんでこんな会社の株買うんやと。
そうでしょ?私が個人最大の株主ですよ。
皆さん方の、そんな少しの株とは違いますよ(会場笑)
だから株下がって一番損するのは私じゃないですか。
信用してもらわなあかん。
信用しないで、ニデックという会社が嫌い、やってる製品も嫌い、創業者も嫌い、そんな人がなんで株主や!
…じゃ、前半戦はこのくらいで(会場笑&拍手)
(小部社長)
どうもありがとうございました(苦笑)
(10:35)
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コメント
よーしゃべるなぁ・・・。キーエンスの滝崎名誉会長と180度違う。
まあ、会社をものすごく大きくしたというところは似ているので、360度は同じで540度違うかな。
(→意味わからんよー)
私も100株はポートフォリオに組み入れているのでちょっと行ってみたかったのですが、
その日は京都文化博物館の織田有楽斎展を見に行っておりました。
まあ、あまり参加人数が多い株主総会は、「見学者」になってしまいがちなので、
100人以下ぐらいのところの方が「参加者」としてはいいかなというところもあります。
私も普段は「参加者」であろうとしているのですが、ここに関しては「見学者」で十分かなと思いました。
(永守会長はこのお詫びの際、お辞儀をしていなかったようにも見えましたが…気のせいかもしれません)
→私の周りでも参加した人いましたが、その方も「あれ?」と思ったとか。会長だけ頭下げてない様子で気になったと聞いてますので気のせいじゃないと思われます。
でも楽しそうな総会ですね。
複数の方がそう仰っているので、間違いないのでしょうね。