それでは質疑応答です。
(アイキャッチ画像は、HPからお借りした、「センターコート」を上から見た写真です。らせん状のスロープが美しいですね。)
質疑応答(1)
(理解促進のため、構成・内容には若干手を加えています)
ほぼ中西社長が回答する形でした。
【質問1】
3Fのミュージアムでは、大変素晴らしい器具の数々を見させていただいた。
ただ、デンタルチェアは見られなかった。
デンタルチェアの会社(DCI)をなぜ買収したのか、歯科用ドリルとのセット販売で本当に売上が伸びるのか、その展望と戦略についてお聞かせいただきたい。
(この日参加している株主の方々が一番聞きたいであろう質問を初めにしていただき、ありがたかったです。)
⇒
お褒めの言葉をいただき、大変感謝致します。
ご質問の件は、多くの方々が疑問に思っている事柄だと思うので、詳しく説明させていただく。
DCIを買収した目的は、北米での当社の売上を上げるため。
同社はデンタルチェアの市場では北米で第2位で、シェアは24~25%あり急成長している。
一方、ナカニシは先端のドリルの市場で、過去それのみで北米市場においても+1~+2ポイント/年でシェアを伸ばしてきたが、MAX成長できても+2ポイントしか伸びないという状況にあった。
皆様が歯科医院に行かれると分かるかと思うが、一番大きな器械はデンタルチェア。
様々な器械が歯科医院では使われているが、新規開業の時はそういった器械を一括で買う場合が多い。
ディーラーさんが、デンタルチェア、レントゲン、歯科用ドリル…そういったものをワンストップで販売するのが、日米とも通常。
今までのナカニシは先端のドリルしか持っていなかったので、新規開業にはなかなか入り込めなかった。
特にアメリカの場合は。
アメリカで一番大きなデンタルチェアのメーカーは、当社の競合メーカーとタイアップしており、その2社は強力なポジションを持っていて、ナカニシはどうしても入り込めなかった。
今回、第2位の成長しているデンタルチェアのメーカーを傘下に収めることで、新規開業に入り込めるようになる(①)。
今まではどちらかというと、リプレイスメント、買い替え時の商売であった。
しかし買い替えのみでは、伸びに限界がある。
そういった背景があり、今回大きな買収をした。
(↑一つ目の理由)
またアメリカは、Henry SheinとPattersonという2大ディーラーが牛耳っている市場。
2社で70%のシェアがあり、この2社に売ってもらわないと売上が立たないという状況にあり、ディーラーがポジション的に強い市場。
メーカーはどちらかというと「お願いして買ってもらっている」状況であり、パワーバランスとしてディーラーの方が強い。
そのディーラーにプレッシャーをかけ、当社の製品を売ってもらうように仕向けるには、我々が大きな売上・利益を彼らにもたらさないといけない。
DCIとナカニシが一緒になることによってプレッシャーをかけ、パワーバランスを上げる目的(②)もあった。
(↑二つ目の理由)
あともう一つ、DCIは我々がリーチできていないお客様を持っている(③)ということもある。
アメリカでは非常に大きなポジションを占めている、DSOというグループ経営をしている歯科医院の組織がある。
日本では個人経営の歯科医院が多いが、アメリカでは市場の3割がグループ経営の歯科医院が占めている。
一番大きい組織では、1,000軒以上の歯科医院を持っている。
第2位でも、7~800軒。
そういったDSOというルートはナカニシは持っていなかったが、DCIは大手2社のほとんどにデンタルチェアを販売している。
新しいルートにリーチできるチャンスがある。
(↑三つ目の理由)
主にこの3つの点(①②③)でDCIを買収したが、今年からそれらを実現すべく頑張っていきたい。
→ 多くの個人投資家には、まだ浸透していない内容だと思われます。100%子会社化により、デンタルチェアーにナカニシのハンドピースを初めから確実にセットできるようになったということです(←それまでは全然コントロールできていなかったと聞きました)。
誰にでも分かりやすい言葉で、北米の市場特有の事情と買収の狙いについて、かみ砕いてご説明いただいたのが良かったです。この内容を広く知らしめるために、個人投資家向け説明会も別途開催いただくのが本当は良いのでしょうね。
【質問2】
宇都宮の開業医で、株主総会に出たくて株を買った(会場笑)
製品に、こういうものを作って欲しいという私たちの現場の声が届いていないと感じる。
予防分野をもっと伸ばして欲しい。
ナカニシさんのエアフローは使いにくくて、返却したいくらい(会場笑)
オートクレーブもまともなものはヨーロッパにしかない。
インプラントも、もう切削道具の時代ではない。
(サージカル)ガイドの時代。
買収してでもいいから、いいものを出して欲しい。
歯がゆく感じているので、栃木県の会社としてぜひ頑張って欲しい。
(会場拍手)
(もっと色々仰っていたのですが、専門外で聞き取れなかった部分もあり、要約しました。)
⇒
弊社製品をご使用いただき、また出席するための株もご購入いただき、ありがとうございます。
先生の仰る通り、予防歯科は国内のみならず欧米でもニーズが強い。
当社も遅ればせながら、他社に負けない製品は既に用意させていただいているので、営業の者にすぐに先生の所に伺わせる(会場笑)
また先生の実際のご要望を聞かせていただき、先生に喜んでいただけるような製品を開発できるよう誠心誠意取り組んでいくので、引き続きご指導を賜りたい。
ご意見をありがとうございます。
→ 地方の株主総会ならではのやりとりと会場の盛り上がりで、ちょっとほっこりしました。
【質問3】
1.DCIの買収の狙いは理解できているつもりだが、実際に買収してみて分かった、良かった点・悪かった点について教えて欲しい。
2.また、今狙っていらっしゃる北米のシェアアップがある程度進み、「目的は果たせた」という段階に来たら、資本効率を悪化させている要因ともなっているDCIを、逆に手放すといったことも選択肢として有り得るのかどうかについても教えて欲しい。
(私からの質問です。後半はちょっとブッ込みました。)
1⇒
買収する前から分かっていたことではあるが、ものづくりに関して非常に真面目な会社。
ナカニシと同じような価値観とパッションを持った人達が運営しており、それは非常にプラス。
そのパッションがあれば、これからも必ず市場を伸ばしていけるという確信を持っている。
一方、まだまだ組織としては町工場的なものがある。
オヤジがいて、先頭に立ってやっているような感じで、組織力としては弱いというのが正直な印象。
そこはナカニシがテコ入れし、必要な人材を追加して、強い組織にしようと動いているところ。
→ 「オヤジ」という言葉が出てきました。おそらく中西社長とDCIの方々はウマが合うのでしょう。
2⇒
ある程度のところに来たら売却するかどうか(苦笑)という点に関しては、現時点ではそういう考えは持っていないが、当然数年後はどうなるかは分からないので、進捗次第で色々な状況を鑑み、考えていきたい。
→ 全否定という感じでもありませんでしたので、実現可能性のある一つの投資シナリオとして持っておきたいと思います。
【質問4】(質問3に追加する形で)
(企業買収もあり)中期経営計画NV2025+の前提が途中でだいぶ変わってしまったが、新しいものはいつ頃リリースを予定しているのか教えて欲しい。
(こちらも私からの質問です。)
⇒
仰る通り買収が3件あり、現行の中期経営計画は現状と全体的に乖離している。
現在、新しい中期経営計画を策定中。
2030年に向けての経営計画を、来年2月に発表する予定。
→ 期間満了前の計画見直しとなりますね。おそらく北米市場の市況が底打ちしたタイミングと重なるでしょうから、買収によるシナジーを十分反映した計画となることが期待でき、大変楽しみです。
【質問5】
役員の女性活用について。
執行役員、あるいは研究部門のブレーンが着々と育ってきているといったようなお話をぜひお聞かせ願いたい。
⇒
当社の4割方が女性社員。
開発部門においても、女性の設計者が増えている。
特に最近は、新卒となる大卒・院生の設計者の3割方が女性となっており、若手でやる気のある女性も増えてきている。
開発部門の役職者も2,3名。
まだまだ男性が多いが、少しずつ女性幹部も増やしていきたい。
会社としても、比率について目標を持ち、ダイバーシティに配慮しながら進めている。
(質問者より:合わせて手厚いインセンティブもぜひお願いしたい。)
(続く)
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