当社はかつて私の主力だった時期もあるのですが、株主総会に参加するのは今回が初めてです。
(ポップ体の社名表示がカワイイですね)
ニッチ事業の目利きを行い、その集合体としてのグループを率いる佐々木秀吉会長とはどんな人物なのか、以前から興味があって参加することにしました。
会社員時代は、なかなかスケジュールを合わせられなかったんですよね。
株主総会
用意された32席に対し、出席は18名(目視)。
議長は佐々木会長。
入場時からマスクをされていなかったような…(気のせいかもしれません)
風貌からして、周りに影響されず自分の信念を貫くタイプのような気もします。
「…議長を務めさせていただきます」との挨拶の言葉の後、前列の複数の参加者から拍手が。
会場にモニターは無く、事業報告は招集通知の「当事業年度の事業の状況」と「対処すべき課題」にある文章をそのまま読み上げる形でした。
ここでは決議事項には触れず、質疑応答へと移りました。
(今までにないパターンです)
質疑応答
(理解促進のため、構成・内容には若干手を加えています)
質疑応答には佐々木会長が対応されていました。
【質問1】
1.事業内容について
・セキュリティ事業の防犯カメラは作っているのか、卸してもらっているのか?
・かなり多角化していて脈絡が無いと思うが、個々の分野を買収した結果こうなったのか?
2.自己株式が約923万株と多いが(発行済株式総数の約16%)、どういう経緯で保有に至ったものか?今後どう使っていくのか?
1⇒
セキュリティ事業のカメラは20年以上扱っているが、初めは商社経由で海外からの輸入・販売をやっていた。
ただそのままでは、日本のマーケットには合わない。
韓国・台湾のメーカーに対し、ハードはドッドウェル(ビー・エム・エス)独自のカスタマイズでうちしかない機器をお願いしている。
ソフトは自社開発。
多角化して脈絡が無いというご指摘に関してだが、元はM&Aを中心に拡大してきたという事情がある。
M&Aの一貫したやり方として、BtoB以外はやらない、客数を増やすM&Aをするというものがある。
そして土壌となる事業、共通したユーザーに対し、柱になる事業を増やしていく形。
新たなユーザーを獲得しつつ、そこにどういう事業を積み重ねていくかを考えている。
ここはぶれていない。
→ M&Aにあたっての基本的な考え方を伺えたのは良かったです。
2⇒
自己株式を取得した経緯は、10年以上前、株価が400~500円くらいの時、2割弱を場で集めていた株主から売却したいとの申し出があり、それなら当社でということで買わせていただいた。
この自己株式をどうするか、いろいろなところから質問があるが、今後の事業拡大のためのM&Aに使いたいと考えている。
(1に関して「客層として、どこをターゲットにしているのか」という追加質問に対して)
お客様のマンションは5万棟以上あるが、管理会社を通じて販売しているのでBtoBだ。
(「M&AはBtoBに絞ってやっていくとのことだが、特に『この業種』といったものはあるか」という追加質問に対して)
必ずここの業種、といったようなものは無い。
【質問2】
現在注力されている脱炭素事業についてだが、5~10年の売上見通しを教えていただきたい。
また、その他に考えている有望な新規事業はあるか?
⇒
昨年からスタートしたシステムで、エアコンの室外機のコントロールによって電気料金引き下げを狙う事業。
特許を3つ取得しており、長期的に有望で強力な競合も無く、マーケットからも評価されている。
電気料金の値上がりがあり、かつ脱炭素ということで、時流に乗った事業。
私の夢としては、ここ数年でセキュリティに次ぐ柱に育てたい。
他社ではやっていない、独自の商品を開発して世に出したいというのが、新規事業に対する考え方。
議案の審議
当社が変わっていたのは、ここで各議案の説明と、それぞれに対する質問を求めていた点です。
議案は以下の4つですが、まさに一つ一つ「審議」を行っていました。
- 剰余金の処分の件
- 定款一部変更の件
- 取締役7名選任の件
- 監査役3名および補欠監査役3名選任の件
4つ目の議案に対し、以下の質疑応答がありました。
【質問3】
取締役・監査役に弁護士の方が多いが、ここまでの人数はなかなか無い。何か基準はある?
⇒
特に基準は無い。
たまたま集まっていただいたらこうなった。
この後、選任された取締役・監査役の紹介があり、10:35に閉会となりました。
所感
佐々木会長の質疑応答でのお話ぶりは立て板に水という感じでは無いですが、グループ運営にしっかりとした哲学が感じられ、話される内容に説得力がありました。
質問の数は少なかったですが、ご回答の内容には収穫がありました。
ただ総会運営自体は儀式的で、スライドの活用などもっと工夫の余地は大きいと感じました。
決算説明資料などは昔と比べれば改善が見られますし、佐々木会長のレスポンスも悪くなかっただけに、惜しい感じがします。
評価は、★★☆☆☆とさせていただきます。
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