株主総会は今回が2回目の参加となります。
総会後の事業方針説明会が充実しており、浦上社長がいま考えていらっしゃることが確認できて、大変有難いんですよね。
できるだけ毎年総会に足を運ぼうと思っている企業の一つです。
株主総会
約150席に対し、参加者は60名前後。
気分の優れない方のために、保健師・看護師が待機している旨のアナウンスがありました。
議長は浦上社長。
議長席にはアクリル板が設置されており、マスクを外して話されていました。
事業報告は招集通知記載の内容が、ナレーション付きの映像が流される形。
詳細については総会後の事業方針説明会で説明がなされるため、個人的にはもっと大胆にカットしてもいいのではと思いました。
(すみません。一瞬寝てしまいました…)
決議事項は以下の2つです。
- 剰余金の処分の件
- 役員賞与支給の件
質疑応答
(理解促進のため、構成・内容には若干手を加えています)
事業に関する質問は、事業方針説明会の方で受けさせていただく旨の説明がありました。
質問には浦上社長が主に答えておりましたが、細かい部分については佐藤取締役に譲る場面がありました。
【質問1】
配当が6円となった。
期中増配の理由を教えていただきたいのと、配当性向が低いと思うが、それに対するお考えを伺いたい。
⇒
(佐藤取締役)
期中業績の推移を見て、22期(2021/11期)は純利益からして増やしていいのではと判断した。
配当性向は30%に満たず低いのではないかということだが、中計最終年度のFY2025までに30%を目指していく。
現在はかなり農園事業で投資がかさんでいるが、徐々に上げていきたい。
自己資本は充実してきたため、これ以上自己資本比率を上げていく必要も無いと考えている。
【質問2】
国会でも賃金を上げずに配当に回しているなどという議論が出ているが、賃金の伸びと配当との相関はあるのか。
→ いよいよ株主総会でも「分配」関連での質問が出てくるようになりました。
⇒
(佐藤取締役)
賃金を抑えることによって配当を増やしているかと言えば、それはNO。
賃金は賃金、配当は配当。
賃金は着実に増やしており、所得拡大促進税制で言えば、22期は最大限度額まで控除が使える程だ。
(浦上社長)
従業員に待遇面で十分満足してもらわないと、会社もうまく動いていかない。
そのあたりはご心配なく。
【質問3】
ビジネスソリューション事業と人材ソリューション事業とで、営業利益率にかなり差がある。
特に後者はDXの余地があるのでは?
B/S上、ソフトウェア勘定が増えていないことに疑問。
DXに関して22期に注力した点を教えて欲しい。
⇒
ビジネスソリューション事業、その主力の障がい者雇用支援サービスは、世の中に無かったものを我々が創り出した経緯がある。
ストックビジネス、シェアリングビジネスであり、損益分岐点を超えると利益率が大きく上がる構造にある。
リーマンショック後、派遣バッシングがあり、派遣以外の分野のものをということで、十数年かけて伸ばしてきた。
ITの進化によって、派遣の仕事が無くなっていく予想もしていた。
ただその予想に反して、人材ソリューション事業も年率+15%で伸びている。
利益率も他社は5%前後のところ当社は11%あり、業界内でも一目置かれている。
デジタル化は進んでいる。
ペーパーレス、業務の集約等々のため、22期に限らず投資を進めている。
(ソフトウェア勘定に上がらないのは)システムについては昔から自社開発で継続して行っているため。
【質問4】
22期の役員賞与は3名40百万円という議案。
20期・21期はどうだったか。
今後増減させる予定はあるのか。
⇒
(佐藤取締役の助けを借りながら)20期は3名30百万円、21期は3名40百万円。
ルールは決めていて、業績等に応じて増減させる。
今回は業績からして増やせる可能性はあったが、据え置きとした。
全体のバランスの中で今後とも考えていく。
【質問5】
中長期的な目線を伺いたい。
3年後の売上、利益率、ROEなどを詳しく。
⇒
事業方針説明会で説明予定だが、中計では最終年度のFY2025(4期後)、売上高410億円、営業利益50億円を掲げている。
保守的に見て、既存の事業だけだと売上高▲50億円、営業利益▲10億円の見通しの下で発表した。
広域行政BPOサービスが順調に立ち上がっているが、こういった新しい事業にも資本を投下していく。
営業利益率としては12.5%を目指していく。
中計は5年間だが、10年後まで考えるのかと言うと、このように変化が激しい時代には無理だと考える。
実際、10年前には今の当社の姿は予測できなかった。
目先の5年、見えている領域で数字を伸ばしていく。
【質問6】
ブルードットグリーンは、具体的にどんな事業をされているのか?
⇒
細かく説明すると事業方針説明会のネタバレになるので(笑)、かいつまんで。
2020年6月に子会社化して1年半。
当時はカーボンオフセットの会社だったが、我々としてはクレジットの売上を伸ばしていく気は無く、お客さんの内容が良いところに目を付けた。
今やっているのが、英CDP(大企業の環境対策を評価する非政府組織)調査対象500社のような所に対するレポート活動。
どれくらいCO2を出しているのか、これからどうしていくのか。
それに答えられないと、ESG投資から外される可能性があり、専門的なレポートが必要になる。
前期は53社受けた。
今期はTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言に沿って作成しなければならないレポートに注力する。
採用にも力を入れており、今は30~40人体制。
とにかくニーズが高まってきているので、レポートやコンサルの仕事が主になっている。
【質問7】
B/Sで投資有価証券が大きく増えているが、新事業の関連か?
⇒
台湾をはじめとするアジアへの越境ECを支援するアジアンブリッジの増資を引き受けた。
日本の通販会社が台湾に越境ECをやりたいと言った時に、そのサポートでは最大手の会社になる。
エスプールロジスティクスは台湾向けに力を入れている。
アジアンブリッジは複数の拠点を持っており、情報交換やロジスティクスの面で大いに期待している。
【質問8】
株主優待導入を検討したことはあるか?
⇒
債務超過の頃から唯一続いているのは、株主総会の手土産(笑)
基本的には配当と業績を見ていただきたい。
いろんな方を応援する事業を行っていることもあって、おかげさまで障がい者の方のご家族や地方にお住まいの方も含め、幅広く株主になっていただいている。
今は特に株主優待については考えていない。
【質問9】
ビジネスソリューション事業では区画販売を行っているということだが、設備を販売しているのか?貸出ではないのか?
招集通知(「設備投資の状況」)にある農園の設備費用25億円というのは建物?
⇒
(浦上社長)
場所はレンタルで、什器備品を販売している。
現在は4,000~5,000レーン、約300社とお付き合いがある。
(佐藤取締役)
土地は借りている。
設備の多くはビニールハウス、管理棟、収穫した野菜を入れる大型冷蔵設備。
1農園3~4億円かかる。
販売に回している什器備品は棚卸資産。
25億円は7農園。
建てた時に契約が全て決まっているかというとそんなことはなく、需要予測に基づいて投資する。
区画としては、1,000区画超になる。
(浦上社長)
需要に対して農園は常に足りない状況だが、人とセットであり教育訓練が必要。
支援学校と連携しながら、1,000~1,200区画/年を目処に増やしていきたい。
(追加質問)
毎年規則的に行っているのかどうか、「設備投資の状況」を時系列で分かりやすく記載して欲しい。
⇒
(佐藤取締役)
制度上は単年度の記載でいいことになっているものの、一つのご意見として検討させていただく。
質疑は以上で終了。
議案採択を経て、株主総会は11:09閉会となりました。
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